17年デビューの6期生・112期ではスピードスケートから転向して18、19年と2年連続ガールズグランプリに出場している梅川風子(29=東京)にスポットを当てる。
スピードスケートで鍛えられた脚力から生み出されるスピードは超一流だ。
また、18年のガールズグランプリに出場し初のタイトル奪取が期待される鈴木美教(25=静岡)にも注目する。
GP〝3度目の正直〟必ず
梅川 風子
「このままでは終われない。スポーツ選手として自分の可能性を広げたい」。梅川風子は戦いの場をリンクからバンクに変えた。
生まれ育った長野県で、4歳からスピードスケートを始める。山梨学院4年時の12年に全日本学生スピードスケート選手権500㍍で優勝の実績を誇る。その後も実業団で氷を蹴ったが「契約は2年で延長が厳しかった」と引退。次なる道として選んだのがガールズケイリンだった。
競輪学校(現日本競輪選手養成所)では女子生徒史上2人目のゴールデンキャップを獲得。さらに卒業記念も制し、スケートで鍛えた脚力は自転車でも発揮された。
17年7月、地元・京王閣でデビューし、2日目に初勝利、9月の弥彦で初優勝を飾るとその後も白星を重ねていった。
在校時代に同部屋だった吉村早耶香(左)と2ショットの梅川
19年11月、トライアルを制してガールズグランプリへの出場権を獲得(左は小林優香)
デビュー2年目の18年11月にガールズグランプリトライアルを制して「信じられない」と喜びを語った。賞金ランク11位から逆転で暮れの大一番初出場を決め、翌年のトライアルも「この2カ月は毎週レースが続いて体の状態は最悪でした」としながらも女王・児玉碧衣(25=福岡)を捉えて連覇を達成。2年連続でガールズグランプリ出場を果たした。
昨年は2年連続最高峰の舞台に立ったが、落車再入と力を出し切れず。
今年は1月からガールズコレクショントライアルを含め5連続優勝など、強じんな脚力にさらなる磨きがかかった。スピードスケートで培った脚力に経験が加わった梅川。今年こそ頂点をつかむ。
卒業記念レースで優勝し胴上げされる梅川風子
112期で梅川ともう一人グランプリ出場経験があるのが 鈴木美教 。18年地元・静岡で大舞台出場を果たしたが、「出るだけで終わってしまいました」と結果は7着。
「あの場所にもう1回出て結果を残したい」とリベンジを誓ったが、翌19年は試練の年に。斡旋停止に加えて、落車で肺挫傷と前歯が欠ける大ケガを負った。約2カ月の欠場もあり、2年連続のグランプリ出場には届かず。それでも「あの時のケガがあって今があると思うんです。落車を乗り越えて見えてきたものがありました」。試練が鈴木を強くした。
今年は3度の優勝、着外になったのも福井のガールズコレクションだけと、抜群の安定感を誇る。「賞金ボードを掲げること」と今年の目標を掲げた25歳。初タイトル、そして2度目の暮れの大舞台も目の前だ。
リベンジを誓う鈴木美教
2020年5月17日現在
※は引退した選手
選手名 | 登録地 | 出走数 | 1着 | 優勝 |
内村 舞織 | 福岡 | 225 | 40 | 4 |
梅川 風子 | 東京 | 206 | 125 | 29 |
大久保花梨 | 福岡 | 206 | 97 | 21 |
太田 美穂 | 三重 | 227 | 39 | 2 |
太田 りゆ | 埼玉 | 57 | 29 | 8 |
加藤 恵 | 青森 | 255 | 36 | 3 |
小林 彩乃 | 群馬 | 212 | 8 | 0 |
坂口 楓華 | 京都 | 248 | 44 | 3 |
鈴木 美教 | 静岡 | 204 | 118 | 31 |
高橋 智香 | 愛知 | 207 | 10 | 0 |
選手名 | 登録地 | 出走数 | 1着 | 優勝 |
高橋知里※ | 兵庫 | 104 | 0 | 0 |
田中 真彩 | 愛媛 | 222 | 2 | 0 |
中西 叶美 | 愛知 | 254 | 7 | 0 |
成田可菜絵 | 大阪 | 256 | 29 | 1 |
宮内 愛※ | 香川 | 116 | 0 | 0 |
吉原菜那※ | 佐賀 | 103 | 1 | 0 |
吉村早耶香 | 静岡 | 205 | 36 | 6 |