18年デビューの7期生・114期の中で、〝神奈川の天才少女〟佐藤水菜(みな、21=神奈川)にスポットを当てる。

 

 デビューから2年たたずに26回の優勝。昨年はガールズグランプリ出場も果たした21歳に迫る。

 

 さらに、在校成績は14位と決して高くなかったが、ここまで3度の優勝と成長著しい当銘(とめ)直美(23=愛知)にも迫る。

 卒記の悔しさ糧に頂点へ

佐藤水菜20200531ガールズ連載05

佐藤 水菜 

 昨年デビュー2年目でガールズグランプリに出場した佐藤水菜。「私もやってみようと思った。父になら勝てるんじゃないかな」。中学までソフトテニス部に所属していたが、自転車競技で国体に出場した経験がある父の影響で茅ケ崎高2年から自転車にまたがる。

 

 同じ神奈川で108期の尾崎睦(35)と一緒に走ったことが契機となり「同じ土俵に立ってみたい。戦って勝ちたい」とガールズケイリンの道へ。

 

 卒業記念レースでは、完全Vに王手を懸けるも、決勝で3着。「悔しい…。メンタル的にも練習不足。今日の反省を生かして、デビューしてからは同じ過ちをしたくない」。この涙の決意が快進撃につながった。

卒業記念レース女子決勝で3着に敗れ涙を流す佐藤水菜(神奈川)。

18年、卒業記念レース女子決勝で3着に敗れ涙を流す

東京・大阪掲載<ガールズグランプリ2019前検>ガールズグランプリに出場する7人の選手たち(右から)梅川風子(東京)、小林優香(福岡)、児玉碧衣(福

19年のガールズGPに出場した(右から)梅川風子、小林優香、児玉碧衣、石井寛子、石井貴子、佐藤水菜、奥井迪

 18年7月、四日市でのデビュー戦で白星を挙げると、18年は半年で5度の優勝。新人離れした強さを見せた。

 

 19年もその快進撃は続き児玉碧衣(25=福岡)に次ぐ年間18度の優勝、獲得賞金は5位。年末の大舞台にも立ち、一気にスター街道を駆け上がった。

 

 今年はらしくない成績も続いたが、直近の伊東では復調を示す力強い動きで予選連勝。強い佐藤が帰ってきた。卒業記念で見せた悔し涙を歓喜の涙へ。

 

 21歳の〝神奈川の天才少女〟が天下を獲る日も遠くない。

佐藤水菜20200531ガールズ連載09

「KEIRINグランプリ2019」前夜祭のドレス姿

 114期で劇的な成長曲線をたどっているのが 当銘直美 。在校成績は卒業した21人中14位と良くはなかった。当初「3年以内に優勝」という目標を立てデビューするも初陣は6、6、7着と散々な結果に終わり目標達成は遠く感じた。

 

 しかし、「周りの人が練習を見てくれたおかげ」と急成長を遂げデビュー1年2カ月後に初優勝。今年も梅川風子(29=東京)を破ってのVなど2回優勝と、成長は止まらない。さらに、4月の佐世保で女王・児玉碧衣(25=福岡)を½車輪差まで追い詰めた。これは今年、児玉が勝ったレースの最小着差だ。

 

 今は他の選手追走から直線勝負のレースが多いが、「強い人は自力で勝てる」と自力を発揮する練習に取り組んでいる。今月、妹・沙恵美(21=愛知)がデビュー予定で先輩、姉としても負けられないという刺激になるだろう。さらなる進化を遂げ大舞台で活躍する可能性も十分だ。

著しい成長を見せる当銘直美(愛知)。

著しい成長を見せる当銘直美

2020年5月18日現在
※は引退した選手

選手名 登録地 出走数 1着 優勝
石井菜摘※ 栃木 81
川嶋 百香 三重 148
川田 ひな 香川 125
佐伯 智恵 愛媛 139
佐藤 水菜 神奈川 147 88 26
田中 千尋 愛知 105
椿本 浩子 愛媛 119
寺井えりか 北海道 126
当銘 直美 愛知 174 27
豊岡 英子 大阪 133
選手名 登録地 出走数 1着 優勝
那須 萌美 宮崎 126
野本 怜奈 埼玉 140 30
橋本 佳耶 熊本 152 13
橋本蒔子※ 栃木 41
比嘉真梨代 沖縄 152
日野 未来 奈良 121
三尾那央子※ 北海道 124
向井  円 大阪 139
柳原 真緒 福井 134 68 11
吉田 夢姫 愛知 123
選手名 登録地 出走数 1着 優勝
渡口まりあ 山口 159 13