年末恒例となった佐世保競輪のGⅢ開設70年周年記念「九十九島賞争奪戦」が、17日から20日までの4日間開催される。地元記念は過去3Vを飾るなど無類の強さを誇る井上昌己を中心視するが、全国区のトップレーサーがしのぎを削る見逃せないシリーズだ。
 
 また、最終日の第9RではA級上位9人よるレインボーカップA級ファイナルが行われる。

 

いざ地元記念制覇へ

井上 昌己

 
 GP1勝、GⅠ2勝の戦歴を残す井上昌己が4度目の地元記念制覇に照準を絞る。このところのGⅠ戦線では苦戦を強いられているものの、ホームバンクの記念開催となると話は別。例年、井上を中心に〝事〟が進んでいるように、今年も九州勢の息の合った連係が見られるはずだ。
 
 先導役は山崎賢人が務める。ナショナルチームに所属し、パリ五輪を目指す山崎は着実にパワーアップ。尊敬する井上の勝利に貢献するはずだ。山田庸平がライン参加。好調誇る松川高大や小川勇介がどう出るかだが、場所は佐世保。ここは遠慮がちとみる。
 
 四国勢が強力だ。GⅠ2勝を誇る小倉竜二が代表格。さらに原田研太朗、小川真太郎、松本貴治ら全国区の機動力タイプが顔を並べる。彼らがズラリ並べば鬼に金棒。大将格の小倉が彼らをまとめ、四国勢が笑うケースも十分あり得る。
 
 先行力、積極性とピカイチの新山響平が不気味だ。先の競輪祭では準決で無念の涙を飲んだものの、予選道中を①①でまとめ4日目のダイヤモンドレースに進出している。和田圭、伏見俊昭が新山を盛り立てる。新山を擁する北日本勢が優勝争いに割って入る。
 
 近畿も役者がそろった。GP2勝、GⅠ6勝の戦歴が光る村上義弘を筆頭に復活目指す三谷竜生、差し脚好調な東口善朋が参戦。長年近畿の屋台骨を支えてきた村上は全盛時の勢いこそ影を潜めているが、その存在感は絶大だ。稲毛健太が積極策でひと肌脱ぐ。神田紘輔を含め、近畿勢が一枚岩にまとまる。その折り合いが注目される。
 
 関東からは吉田拓矢が名乗りを挙げる。直前の高松FⅠ決勝の落車は気になるが、走る以上、持ち味の自力勝負を貫く。競走得点115が示す通り、V候補の一角であることは間違いない。こちら吉田には神山拓弥が大名マーク。茨栃コンビの動向も見逃せない。
 
 南関から根田空史がV戦線をかく乱。ツボにはまったときの自力攻勢は脅威の的。桐山敬太郎、成田健児、松坂英司が根田の攻めを足場に波乱を演出する。自力と言えば竹内雄作を忘れてはならない。何しろバック回数は20回。徹底先行でアピールする竹内と不破将登がタッグを組む。笠松信幸が中部ラインを固め上位を脅かす。