東日本発祥72周年大宮競輪GⅢ「倉茂記念杯」は、14日から17日まで4日間にわたって開催される。S級S班3選手を含む好メンバーが出場。ホームバンク大宮のGⅢで8回目の優勝を目指す平原康多を主役に清水裕友、佐藤慎太郎、岩本俊介、鈴木裕、宿口陽一、鈴木庸之、中本匠栄、東龍之介ら豪華な顔ぶれがそろって熱戦が繰り広げられる。
 
 なお、首都圏での新型コロナウイルス感染拡大の状況を鑑み本場無観客で実施、車券は電話・インターネット投票と、一部を除く場外売場のみで発売される。電投番号「25#」

 
 新年初戦立川記念Vの勢いを、平原康多がホームバンク大宮でも見せる。立川では昨年同様にS班同士のライバルである清水裕友と対戦。昨年は佐々木豪の逃げに乗って番手捲りの清水に中団から迫るも2着惜敗。その借りを今年、きっちり返した。平原は今シリーズにも出場する鈴木庸之の番手回り。打鐘で鈴木がよもやの車体故障となるが慌てず自力にモードチェンジ。郡司浩平が逃げ、その3番手を奪った清水の外を最終2角5番手から先に仕掛けて鋭くのみ込んだ。初日特選では打鐘から逃げて清水、郡司らを完封し、差して1着の地元・鈴木竜士とワンツー。二予、準決でもラインの先頭で実力を発揮。4日間全てのレースで、自力で強い平原を再認識させた。平塚グランプリでは悩んだ末に脇本雄太との連係を選び自力を封印した平原。優勝は逃したが立川での走りを見る限り、グランプリでの得がたい経験が最強のオールラウンダーをさらに成長させたと言えそうだ。
 
 グランプリとは違い、今シリーズは関東の仲間が多数。自力型では鈴木のほか同県後輩の宿口陽一に森田優弥、昨年11月小倉競輪祭準決で前を任せた長島大介、7月弥彦記念、8月松戸記念で連係した坂井洋もいる。加えて武田豊樹、芦沢大輔、木暮安由、武藤龍生と役者がそろう。戦い方は状況次第。どうあれ主役の走りで昨年に続く8回目の大宮記念Vに挑む。

 清水は立川記念で3連覇を逃した分も巻き返しに燃える。大宮は18年記念を走って以来、2度目の出場。一予スタートだった3年前は二予の段階で勝ち上がりの権利を逃したがシリーズ2勝。バンクの印象は悪くないか。

 佐藤慎太郎はグランプリ以来の実戦。今年走り初めでのスタートダッシュを狙うが北日本の目標が手薄。決勝に進み、メンバー構成によっては位置取りに苦慮することも。プラス面は500走路の長い直線。勝負権ある位置を確保して鋭く突っ込む。

 岩本俊介は昨年後半にGⅢ2回を含め3V。GⅡでも決勝に進むなど上昇ムード。ただ、12月前橋FⅠ初日に落車。状態面が気になるが、本来の動きならV争い必至。急きょ追加での出場が決まった鈴木裕のほか中村浩士が同県の味方。南関の追い込み型では点数上位の東龍之介との連係も。自慢の強烈なダッシュとスピードを武器にした仕掛けで存在感を示す。鈴木裕は岩本が早めに出ていくようだと流れが向く。番手回りから直線勝負で鋭さを発揮する。

 昨年9月伊東共同通信社杯でGⅡを制した中本匠栄も怖い一人。追い込み基本だが目標不在なら動くことも可能。組み合わせ次第では清水との連係も。井上昌己は昨年、GⅢで決勝進出がなかったが戦歴は断然。九州同士で連係実績ある中本に前を任せての勝負となりそう。