2021年最初のGⅠ「第36回全日本選抜競輪」は2月20日から23日までの4日間、川崎競輪場で優勝賞金3000万円(副賞含む)を懸けて開催される。
S級S班7選手のほか108人の精鋭が出場。地元を代表するスターの郡司浩平ら豪華メンバーがそろって熱戦を繰り広げる。
なお新型コロナウイルス感染症拡大防止のため本場無観客となり、車券は一部を除く場外売場と電話・インターネット投票のみで発売される。(電投番号「34♯」)
〝55年の時を経て〟とは今シリーズ開催を告知するポスターの文言。川崎でのGⅠ(特別競輪)は半世紀以上ぶり。本場無観客は寂しい限りだが、当地をホームとする南関のエース・郡司浩平ほか神奈川勢にとっては特別に思い入れが強くなる大舞台。ここで何としても勝ちたいはず。郡司は昨年11月小倉競輪祭を制してGⅠタイトルホルダーに。名実ともにスター選手の一人となって大事な戦いを迎える。挑戦2度目だったグランプリ(平塚)では9着。その分も、ここに懸ける気持ちは大きい。動く組み立てか目標を定めての戦いになるかは状況次第。いずれにしてもラインの軸として持てる力を最大限に発揮。冷静に運んでチャンスをつかみたい。
郡司同様にホームバンクでのGⅠに燃えるのが内藤秀久、松谷秀幸、東龍之介だ。内藤は昨年8月名古屋オールスターで2度目のGⅠ決勝進出。松谷も過去にGⅡで決勝入りのほかGⅢ優勝3回と、両者とも実績は十分。GⅠ初制覇へ、ここに照準を合わせて勝ちにいく。東は1月大宮記念で決勝入りするなどムードは上々。気迫の走りでV争いに加わりたい。
松井宏佑、和田真久留は平塚がホームだが地元GⅠへの意気込みは川崎組と同様。特に注目は松井。競輪祭で決勝入りして郡司のVに貢献。地元平塚でのヤングGPでは強烈捲りでV。ここでは積極策で押し切りを狙う。南関ではグランプリ覇者の和田健太郎、愛知から静岡に移籍後、初のGⅠを南関地区で迎える深谷知広も目が離せない存在。和田健は奈良記念での落車がどうか。深谷は初日特選での郡司との同乗がまずは見逃せない。
昨年の豊橋同様、決勝での好連係を目指すのが松浦悠士、清水裕友の中国S班ゴールデンコンビ。昨年は松浦が前で先行。乗った清水がGⅠ初制覇。今年はどうなるか。松浦は今年に入り、すでに記念を4場所走って2V。抜群の安定感は変わりない。同一GⅠ連覇に挑む清水は記念2場所で、いずれも決勝へ。リズムは悪くなさそう。
関東は平原康多が中心。1月に立川、大宮と記念連続V。前走高松では松浦に敗れたが2着。勢いは途切れていない。3回目の全日本選抜制覇へ、メンバー構成に即した走りで貫禄の強さを見せる。
北の主力はS班の佐藤慎太郎と守沢太志。新山響平はラインの前で先行パワーを発揮。菅田壱道は18、19年にGⅠで合計4回決勝へ。実力ある渡辺一成、山崎芳仁、成田和也の福島88期勢や新山に負けない先行力を誇る高橋晋也も活躍が期待される。
中部のV候補は浅井康太。ビッグ戦線で何度も連係した深谷の移籍もあり組み立ては自力が主体になりそう。12月別府記念も含め直近5場所で3V。その勢いをここにつなげたい。
近畿はGⅠ出場3回目の寺崎浩平が先導役。三谷竜生は前走奈良記念で失格の分も、ここで巻き返したい。山田久徳は奈良記念でV。初日特選シードは村上博幸、稲川翔、東口善朋。村上義弘も記念Vの実績ある当地で好走するか。
昨年決勝3着の山田英明が九州の軸。積極策で粘り込むのは山崎賢人。前期から1月までにFⅠで6Vの北津留翼は昨年12月川崎FⅠでも3連勝。出場1年6カ月ぶりのGⅠで台風の目となるか。