開設71周年記念松戸競輪GⅢ「燦燦ダイヤモンド滝澤正光杯」は、21日から24日まで4日間にわたって開催される。S級S班から4人のほか好メンバーが出場。中心は東京五輪代表でハイパワーの新田祐大。佐藤慎太郎が新田と福島S班同士で連独占へ。新田と人気を分け合いそうなのがダービー王で今年賞金1位の松浦悠士。地元勢はS班の和田健太郎や岩本俊介、根田空史、野口裕史、中村浩士が主力。そのほか機動力好調な吉田拓矢、差し脚鋭い諸橋愛、底力ある中川誠一郎ら豪華な顔ぶれにより熱戦が繰り広げられる。なお、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から本場は無観客となる。(電投番号「31#」)


 新田祐大がワールドクラスの脚力でシリーズをリードする。死力を尽くして戦った東京五輪の後、前走地元GⅠのいわき平オールスターで競輪の実戦に復帰。五輪から中0日。休む間もなく挑んだ6日制長丁場のナイター開催で5走をこなし、惜しくも優勝は逃したが決勝入り。きつい状況の中でも気力を振り絞り、最低限のノルマは果たしたと言っていいだろう。オールスターからここまでは中4日。引き続きタイトな状況は変わっていないが、新田にとってはここから一戦一戦が勝負。小倉競輪祭(11月18~23日)まで、7年連続8回目となるグランプリ出場権利獲得への選考期間はあと3カ月だけ。残り2回のGⅠを勝てなかったケースを考えた場合、少しでも多く賞金を加算しておかなければならない。松戸は15年にオールスターを制した舞台でもありバンクのイメージはいいはず。今年2戦目のここで、競輪では昨年9月青森記念以来11カ月ぶりとなるVへ。桁違いのダッシュとスピードを武器に、鋭く仕掛けてパワーの違いを示す。

 番手は新田と福島S班同士でラインを組む佐藤慎太郎の指定席。オールスターでも新田の番手回りが3回。決勝を含め連に絡むことはできなかったが、久々の連係が今後の走りに生かされることは間違いない。強烈な踏みだしや加速にもしっかりと対応し、直線での突き抜けに懸ける。

 オールスターで今年のビッグレースでの決勝入りを初めて逃した松浦悠士は、ここで巻き返しに燃える。前を任せるとすれば今年の初戦をVで飾った1月岸和田記念(和歌山開催)決勝で目標にした同県後輩の才迫開だが、基本は自力での組み立てとなりそう。力を技の両面を生かして前々強気な攻めを見せる。五輪組の新田を破ってのVを決めて再び勢いを取り戻したい。

 関東は吉田拓矢が上昇気配。6月岸和田高松宮記念杯決勝で2着に入り、続く久留米記念では2度目のGⅢ優勝。確かな機動力で、ここも好走しそう。諸橋愛は今年2回目、松戸では17年以来となるGⅢVへ気合。吉田の動きに託して直線で切れ味を発揮する。自力型ではオールスターで4回確定板に入った黒沢征治も注目したい一人。FⅠでは今年3V。そろそろGⅢを勝っても不思議はない。

 地元勢はグランプリ覇者の和田健太郎が軸。ただ、昨年は岩本俊介が8月、12月(松戸開催の千葉記念)と当地でのGⅢで連続V。根田空史や野口裕史も自力で優勝を狙える。当地バンクレコード保持者で08年優勝者の中村浩士も実力健在。一人でも多く勝ち上がり決勝で強力ラインを実現させたい。

 一発の魅力は18年に松戸記念Vの中川誠一郎。オールスターでは19年10月前橋寛仁親王牌以来、約2年ぶりにGⅠで決勝入り。流れに乗ると怖い。