立川競輪FⅠ「第13回山口健治杯・日本名輪会カップ」は、8月30日から9月1日まで3日間にわたって開催される。主役は中部のニュースター候補・山口拳矢。実力ある顔ぶれがそろったがS級7回目のVへ、初登場の立川バンクで快速を披露する。柴崎淳が山口との連係から逆転Vも。そのほか新山響平、三谷竜生、森田優弥、地元の河村雅章らGⅠクラスの好メンバーが熱戦を繰り広げる。なお、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から本場無観客となる。(電投番号「28#」)


中部のスター候補 Vチャンス

山口 拳矢

<S級見どころ>

 昨年7月本格デビューから1年と1カ月余り。チャレンジからS級まで無傷で駆け上がり、ここまでFⅠでは6Vの山口拳矢。GⅢやGⅠ、GⅡのビッグ戦線でも、その勢いは変わらず。7月GⅡ函館サマーナイトFで決勝に進み2着。GⅠ2戦目の前走いわき平オールスターでは準決4着で決勝入りは逃したが、シリーズ5走で2勝を含む3連対。最終2センター7番手から外を強襲して勝った初戦の一予1で上がり10秒6を記録するなど、デビュー2年目の若手とは思えぬ存在感を示した。

 8月29日時点で、今年の獲得賞金ランクは15位。一気にグランプリ出場まで狙えるポジションにいる。賞金順位を気にせずとも、この後のGⅠを勝って文句なしで決めてしまうことだってありそう。その前に、初登場となる立川バンクでもしっかり強さを発揮する。

 柴崎淳が山口と中部同士で連係。自らもV争いできる機動力を備えるが、ここは後輩の山口に目標を絞っての勝負となりそう。オールスターの初戦一予1では山口の踏み込むタイミングが遅くなった分、1着ゴールの山口とのワンツーはならず。展開にもよるが、勝てる流れになれば差し切りVへ、チャンスは逃さない。

 新山響平も確かな機動力で人気を集める。ナショナルチームで鍛えたパワーはビッグ戦線でも上位で通用。ただ、調子の面が少し気がかり。前々走高知記念での落車が響いてか、北日本地区でのGⅠで活躍を目指したオールスターは見せ場がなかった。FⅠとはいえ強敵が相手となる今シリーズだが、うまく立て直して強さを見せたい。

 実績断然上位は三谷竜生。ダービー2回などGⅠで3Vを決め、18年グランプリでも頂点に。今期は2班だが、GⅠを含むグレードレースでも軽快さが戻ってきた印象。前走オールスターは山口と同じく準決4着で決勝入りを逃すも、1勝を含む2連対。ここでは同県中井太祐との連係も含め、うまく運んでV獲りを目指す。

 埼京連係は機動力ある森田優弥と地元河村雅章。森田は19年ヤンググランプリ2着以来の当地参戦。立川がホームの河村の前で果敢に仕掛ける。河村は練習バンクでハッスル。1月記念では準決6着。その分も決勝入りして結果を求める。

 近藤隆司は鋭い捲りが持ち味。展開が向けば一気に仕掛けて浮上する。南関では堀内俊介にも一発の魅力。ただ、7月富山記念決勝での落車(携入7着)から35日ぶりでの実戦で状態面が気になる。