久留米で全国25番目のミッドナイトが初開催――。A級1、2班戦とチャレンジレースが組み込まれた「WINTICKETで検索杯」が6~8日の3日間、久留米競輪場を舞台に行われる。A級1、2班戦は主役候補だった大物ルーキー山根将太が特別昇級したため、傑出者が不在の大激戦ムード。上り調子の今野大輔(28=愛媛)が混戦を一歩抜け出すとみたが、中部、近畿、四国、中国、九州と各地区の戦力は互角だ。チャレンジレースは119期対決の様相。渡口勝成(24=山口)VS徳田匠(24=京都)の力比べになる。


 今野の魅力は大崩れしない安定感。今期は8場所を走り2V(7月小松島、10月奈良)、準V3回と高い確率で優勝争いに絡んでくる。その特長は逃げ、捲り、差しとバラエティに富んだ戦法にあるだろう。状況判断が的確で苦しい展開になっても縦横無尽に動いて打開できるのが強みだ。来期はS級復帰を決めており、今期も無事故ならS級点確保はほぼ安全圏。決め脚がシャープな蓮井祐輝(38=香川)と四国タッグを組み、V戦線をリードしていく。

 中国勢は桜井太士(37=岡山)を中心に結束を強める。来期のS級に向け試行錯誤している段階で、セッティングや体の使い方がしっくりくれば鋭い差し脚で存在感を示してくる。久留米は4月に高井流星の番手から抜け出して今年初優勝を飾った好相性のバンク。本来のパワフルな走りが戻った奥村諭志(28=岡山)と好連係を決めれば、シリーズの流れを引き寄せることもあるだろう。

 九州勢は上吹越直樹(39=鹿児島)の復調具合が鍵を握る。膝を痛めた影響で成績は乱高下しているが、本調子なら捲り併用の決め脚で伸びてくるタイプ。混戦に強い池田浩士(43=佐賀)、ホームバンクで燃える福岡支部支部長・古閑良介(48=福岡)ら百戦錬磨のマーク陣たちも虎視たんたん。中野雄喜(28=京都)と玉手翔(38=兵庫)の近畿コンビも脇役御免の連係プレーで見せ場をつくる。

 チャレンジレースは今年5月にデビューした119期によるV争い。その中でも素質は渡口勝成が一枚上だ。在所時にゴールデンキャップを獲得した逸材。近況はラインで決めようとする気持ちが強すぎるため持ち味を出し切れないケースも目立つが、本デビュー後に3場所連続優勝した能力は極めて高い。初登場の久留米バンクでも自慢のスピードをフルに発揮して3カ月ぶりのVを射止めたい。徳田匠は徹底先行で売り出している強引派。主導権さえ握れば簡単に捲られることはない。渡口とは10月奈良決勝で対戦しており逃げ切り勝ち。今回もその再現を狙う。デビュー後、初の地元戦となる上野恭哉(23=福岡)、一戦ごとに力をつけている久保光司(24=佐賀)もV争いに加わる。