競輪の年間№1を決める「KEIRINグランプリ2021」は30日、静岡競輪場で行われる。

 注目は初優勝を狙う松浦悠士(31=広島)。

 現在の獲得賞金はランキング1位の1億6917万4000円。グランプリを制して優勝賞金1億830万円(副賞含む)を手にすれば、年間の獲得賞金は2億7000万4000円となり、三谷竜生(34=奈良)の2億5531万3000円(18年)を超え、年間賞金の最高記録となる。清水裕友(27=山口)の番手から中国ワンツーを狙う。

今年こそは優勝

松浦 悠士

 勝負の時が近づいた。

 松浦にとってグランプリは3年連続3回目の舞台。車番は今年のGⅠ優勝回数、賞金順によって選べるが、最上位の松浦は1番車を選択。「今のルールでは1番車が凄く有利なので、迷わず1番車を選んだ」と説明した。そして「3回目になるが、今年こそは優勝目指して賞金王が目標。(清水)裕友とのワンツーが理想です」と言い切った。

 今回の中国ラインは清水が先頭で、自身はマーク。「僕が〝番手がいい〟と言ったら裕友が〝じゃあ、頑張ります〟と言ってくれたので」と並びの選択理由を明かした。

  ダービーもサマーナイトFも清水の番手からV

 5月の日本選手権(京王閣)、7月のサマーナイトフェスティバル(函館)をともに清水の番手から制しており、不安はない。その清水は「松浦さんといい連係をしてレースを盛り上げたい。松浦さんの前で自力で頑張ります」と宣言しており、黄金コンビの結束が大一番でも見られそうだ。

 大活躍だった今季を振り返り「ダービー(日本選手権)は僅差での勝利だった。前半戦はよかったけれど、後半戦はよくなかった。でも広島記念を優勝して、しっかり調子を上げることができた」と話す。そして、年間獲得賞金記録の更新も大きなモチベーションとなっていることを明かした。「(突破が期待された)賞金3億円を目指してはいなかったけれど、周りから言われて意識はした。ただ、グランプリで優勝したら記録更新ということで、しっかり狙っていきたい」と18年の三谷の金額を上回るつもりだ。

 「静岡は伊東温泉を含めて県そのものと相性が凄くいい。走るのが楽しみです」と松浦。1番車が栄光のゴールを駆け抜けるシーンが待ち遠しい。

清水 裕友

 ♤松浦悠士(まつうら・ゆうじ)1990年(平成2年)11月21日生まれ、広島県出身の31歳。10年7月13日に熊本競輪場でデビュー(①③❷)。19年に競輪祭でビッグ初制覇。20年オールスター、21年日本選手権V、グランプリ出場3回目。1㍍68、73㌔。

 ♤清水裕友(しみず・ひろと)1994年(平成6年)11月9日生まれ、山口県出身の27歳。14年7月14日に武雄競輪場でデビュー(①①❶)。20年に全日本選抜(豊橋)でビッグ初制覇。GⅠ通算1勝、GⅡ通算2勝、グランプリ出場4回目。1㍍66、82㌔。


KEIRINグランプリのライン

 清水―松浦の中国ラインに対し、関東は吉田―宿口―平原。郡司に佐藤―守沢の北勢が付けて、古性が単騎となった。

 12回目の出場となる平原は「2人には世話になっているし、自分の中では自然な並び」と関東3番手になった経緯を明かした。宿口が高松宮記念杯、自身が寛仁親王牌、そして吉田が競輪祭V。関東3人がそれぞれタイトルを獲得して臨む。吉田が他ラインを抑え込んで先制なら、宿口―平原の埼玉勢に大きなチャンスが巡ってくる。

 一昨年のグランプリを制した佐藤は「郡司君には今年、何度も世話になっている。守沢君には〝3番手でいいよ〟と言ったが、自分を立ててくれた」と郡司の番手へ。右鎖骨骨折の影響が心配される守沢は「故障の次の日に手術をしてその後は順調。佐藤さんの後ろ」。前を任された郡司は「競輪祭の後に2人から連絡があった。自力で頑張る」。

 古性は「単騎になるが、いつも通りにしっかり」と話した。


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