岩手 中野信詞 圧巻15連勝中
岡山 太田海也 世界見据える
2人の怪物が現れた。その名は中野慎詞と太田海也。養成所の超ハイレベル基準をクリアし、117期の寺崎、菊池以来となる早期卒業生として1月にデビューを果たした。そのスピード、パワーは前評判通り。いや、それ以上だった。
中野は少年時代から才能が光った。当時励んでいたスキーの会場で知ったという自転車レース。ロードバイクの中になんと〝ママチャリ〟で参戦した。それでも上位だったというのだから才能の塊だ。
「力を出し切りたい」と参戦したデビュー戦は圧巻。楽々連勝を決めると決勝は打鐘目掛けて一気にカマすした。ラスト1周18秒5(前半9秒0、後半9秒5)。S級上位のタイムをたたき出した圧勝した。師匠の佐藤友和(39)は「慎詞の力はこんなもんじゃない。もっとやれる」と評価する。現在は連勝を15まで伸ばし次の青森(4月14~16日)で早くもS級入りを狙う。早大時代からナショナルチームに所属した中野。輪界を、日本を代表する選手になること間違いなしだ。
計り知れないポテンシャルを秘めるのが太田。日本代表にまで選ばれたボートから自転車に転向した。すると、わずか1年ほどで養成所に合格。それだけでも凄いが、早期卒業の基準もクリアした。デビュー戦では「誰も前に出させない、ずっと前にいるレースがしたかった」と突っ張り先行。ラインを生かした走りを披露した。自転車経験が浅くとも、レースを理解している。太田も楽々9連勝でチャレンジ卒業。A級1、2班でも底を見せていない。
その力は誰もが認める・同県のレジェンド・三宅伸(52)は「一緒に練習したことがあるが、あんな逸材は今まで見たことがない」と太鼓判を押す。その潜在能力はナショナルチーム現在は目に留まり、世界レベルの鍛錬を積む。太田が競輪選手として完成された時、その強さは誰も想像ができない。