地元記念へ闘志

山口 拳矢

 競輪界のニュースターとして近年、目覚ましい活躍を見せているのは山口拳矢。昨年は当地の共同通信社杯を制し、史上最速でGⅡ優勝を成し遂げた。今年はここまでF1戦で3V、GⅢでは2優出。中でも3月大垣記念は準Vも、勝った平原康多と接戦を演じてポテンシャルの高さを発揮した。今回は地元の岐阜記念が初参戦で、目を光らせる。

 近況は西武園オールスターで失格とリズムが悪かったが、直前の富山記念では優出を果たしている。決勝では同県の竹内雄作を背に、果敢に先行して見せ場をつくった。「富山記念は3日目が感じが良くて、決勝もその状態をキープして走れた」と地元記念に向けて調子自体も上がってきている様子だ。

 「岐阜記念もこの状態をキープできれば。岐阜勢の先輩たちと道中勝ち上がっていけるようなレースをしたい。地元で(Vを)獲れるように」と地元の大一番に懸ける思いは強く、照準をしっかり定めている。今年はリズムがチグハグで結果を残せない時期もあったが、ここに来て急上昇。ビッグレースも制覇しているように、間違いなく次世代を引っ張っていく逸材だ。今回は走り慣れたバンクで、俊敏なタテヨコの動きを駆使。要所で勝負強さを発揮して、岐阜記念初制覇を目指す。

 ◇山口 拳矢(やまぐち・けんや)1996年(平8)1月26日生まれ。岐阜県出身の26歳。20年5月小倉でデビュー。同年9月S級に特進。21年9月にGⅡ共同通信社杯(岐阜)を史上最速で優勝。同年には優秀新人選手賞を獲得。父は幸二氏(62期・引退)、兄は聖矢(115期)。1㍍66、70㌔。血液型A。