22年初のGⅠ「第37回全日本選抜競輪」は20日から23日までの4日間、取手競輪場で優勝賞金3213万円(副賞含む)を懸けて開催される。S級S班9選手を含む総勢108人の精鋭が出場。S班戦士となって地元GⅠ制覇に挑む吉田拓矢のほか豪華メンバーが集結して白熱のバトルを繰り広げる。なお、場内入場は事前申し込みで当選した2400人限定(受付終了、入場には送付された許可証が必要)となっている。(電投番号「23#」)

 取手でのGⅠ開催は17年2月全日本選抜以来で2回目。5年前は関東から4人が決勝へ。結束したラインの先頭で気迫あふれる走りを見せた平原康多がVを手にした。ここでも関東勢の意気込みが違うか。S班3人のほか若手も含めて力のある選手がそろうが、最も注目すべきは地元S班の吉田拓矢だろう。昨年11月小倉競輪祭で初めてビッグを制し、ホームバンクの晴れ舞台でGⅠ連覇へ。ここに照準を合わせて挑む。基本は持ち味を生かしての自力勝負。悔いのない運びで勝ちにいく。

 当地GⅠでの連覇を狙うのが平原。5年前は地元の武田豊樹が後ろを回って、さらに諸橋愛―神山拓弥で連係。自身が1着で武田とのワンツーが決まった。今回は武田が不在だが吉田や埼玉S班同士の宿口陽一が主力に加わる。関東での上位独占を意識しながらVゲットへ。司令塔としてラインをしっかりとまとめる。

 郡司浩平は昨年覇者。地元川崎での開催だったが、今年も最初のGⅠを勝って早々にグランプリ権利を手に入れたい。自力での強さに加え、昨年決勝でも連係した深谷知広や、同県後輩の松井宏佑の存在も南関のエースにとっては大きい。どうあれ確かな実力で優勝争いを演じる。ちなみに取手では一昨年6月に記念を制している。

 中国S班の松浦悠士と清水裕友も有力なV候補。昨年決勝は清水が前で仕掛けたが不発となり両者着外。前後がどうなるにせよリベンジを期しての戦いになる。松浦は3年前に当地記念でVの実績も。初日特選シード組の小倉竜二、太田竜馬、香川雄介のほか、近況好調な原田研太朗も中四国では目が離せない存在となりそう。

 昨年のオールスター、グランプリ覇者で賞金王、MVPとなった古性優作はS班戦士として、今年は近畿地区を代表する立場に。前走奈良記念では体のダメージによる長期欠場から復帰した脇本雄太と連係したが、脇本が不在のここでは動く組み立てが基本となりそう。前々強気に攻めてVゴールを目指す。

 北日本の中心はスピード断然の新田祐大。S班復帰へGⅠで結果を出すことが今年のテーマ。立川記念、伊東FⅠと優勝を逃した分も、ここに気合を込める。S班の2人は追い込みの佐藤慎太郎と守沢太志だが、好調キープは静岡記念で1年3カ月ぶりにVの佐藤。守沢はグランプリを走った後、1月の2場所を欠場して復帰2場所目。まだ状態面が気になる。決勝2着に敗れた競輪祭の悔しさをぶつけるのが新山響平。吉田との同期ライバル対決は、ここも決勝で実現なら大きな見どころの一つ。悲願のGⅠ制覇へ全力を出し切る。

 中部は浅井康太が軸。追加で奈良記念を走り2月に入って4日制が3場所目となるがコンディションを整えて今年最初のGⅠへ。流れに乗って鋭く踏み込むと一気に浮上する。