奈良記念「春日賞争覇戦」(GⅢ)が明日から開幕する。

 奈良の小回りルーレットバンクは目まぐるしい先行争いが醍醐味。見なし直線距離が38・0mしかなく、全国に7場ある短走路の中で小田原(36・1m)に次いで短い。オーバーな表現ではあるが「最終コーナーを回って3回脚を回せばゴール」と言われるほどだ。

 もちろん先行有利が定説。だがS級の9車立てはそうでもない。先手を握るまでの駆け引きで先行選手は脚力を消耗する上、高い確率で踏み合いが起こる。昨年の記念の全48レース中、逃げ切り勝ちは7本のみ。番手差し、中団からの捲りも有効だ。インを突っ込んでくる追い込み選手、もしくは本線を崩すイン粘りが得意な自在型が高配当を運んでくれる。

 注目は今シリーズから復帰予定の脇本雄太(32=福井、94期)。東京五輪自転車競技代表で〝輪界史上最強〟の呼び声が高い第一人者だ。仙腸関節付近の疲労骨折で長期欠場。昨年10月久留米GⅢ以来の実戦で競走得点0だが、完調ならいきなり復活Vもあるだろう。

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