別府競輪の「モーニング7」(チャリロト杯)が4日から6日までの日程で開催される。A級1、2班によるV争いは混戦必至。実績だけならGⅠ常連だった牛山貴広(41=茨城)がリードするが、膝の故障で全盛時の勢いは影を潜めているが、ケレン味のない中嶋宣成との連係が可能。牛山を中心とした関東勢が優位に立てる。自力で対応する嶋田誠也と復調気配の屋良朝春が連結し逆転を狙う。


 A級1、2班の個性派が顔を並べるが、確たる本命不在の混戦相場と言っていいだろう。そんな中、V争いの中心に推すのは牛山貴広(茨城)だ。2回のダービー優出や記念2Vを手にするなど輝かしい実績を残した。

 ところが、19年6月に左膝半月板の手術。手術は無事成功したが、同年9月に交通事故にあい、運悪く手術した左膝を負傷した。深刻なケガだった。血のにじむようなリハビリの末、実戦に復帰するまで416日もの時間を要した。本来の実力、脚力は影を潜めてはいるが、存在感は絶大。積極的な中嶋宣成(長野)を目標に組み立てられるのは強みだ。

 機動力でヒケをとらない嶋田誠也(福岡)が立ちはだかる。今年は1月佐世保、2月松山を制し2Vをマークしているように動きは上々。ツボにはまった捲りは強力だが、ときとしてイン粘りもこなす。嶋田が前々と振る舞い見せ場を作る。その嶋田と連係できる屋良朝春(沖縄)が魅力。ケガの影響で精彩を欠いていたが、ここにきて息を吹き返してきた。しぶとい位置取りが身上の屋良が嶋田の攻めを足場にできるならチャンス十分。

 北日本から小酒大勇(福島)が名乗りを挙げる。直近3場所の決勝成績は❷❷❸が示す通り安定した走りが目に付く。目標不在の構成では捲りで対処。鈴木涼介あたりがひと肌脱ぐケースでは北日本の2段駆けも見られそうだ。中四国は力を付けた下野義城(愛媛)が好勝負に持ち込む。

 直前の函館決勝を捲りで制すなど成長著しい。別府は昨年9月に優勝を飾った好相性のバンク。宮本佳樹(香川)、藤原浩(高知)、戸伏康夫(岡山)らマーカーにも出番はある。若手では117期の秋本耀太郎(栃木)と犬塚貴之(愛媛)が侮れない。ともに上位に通用するスピードを持つ。チャレンジャー精神でV戦線をかく乱する。