取手競輪開設72周年記念GⅢ「水戸黄門賞」は、64日から7日まで4日間にわたって開催される。

 S級S班から4人のほか豪華メンバーが出場。主役を務めるのは地元S班の吉田拓矢。ホーム取手のグレードレースで弟・有希と初連係なるか。自力勝負でもVチャンスは十分。同じく地元で有力なV候補は吉沢純平。総合力No・1の松浦悠士はスピードある太田竜馬と中四国連係か。衰え知らずの佐藤慎太郎は熟練の技と鋭さで浮上へ。タテ脚切れる和田真久留&和田健太郎の南関勢も好位キープなら怖い。

 なお、最終日(7日)第9RではA級1、2班の上位による一発勝負の「レインボーカップA級ファイナル」(1~3着がS級に特進)が小原唯志、橋本瑠偉、寺沼将彦、栗山俊介、久保田泰弘ら9選手を集めて実施される。(電投番号「23#」)


GⅢ見どころ

 弟有希との兄弟ライン楽しみ
 地元拓矢が魅せる

 意外にも地元取手ではS級での優勝がまだない吉田拓矢。昨年は1月、9月とFⅠ2場所を走ったが決勝3着、5着。今年2月のGⅠ全日本選抜では二予で上位進出の道を断たれて悔しい思いをした。S班戦士となってからは初めて臨むホームバンクのGⅢ。期待も大きくなるだけに、ここで何としても結果が欲しい。

 今年は119期出世頭の弟・吉田有希がシリーズ初出場。連係が実現するかどうかが注目される。そろって決勝入りすることが条件になるが、有希は5月1日が最終日の青森施設整備等協賛競輪で一予から準決まで3連勝。4日制GⅢ、9車立てのシリーズで初めてファイナルに進んだ。ここでも勝ち上がりを果たせば大いに盛り上がる。もちろん、吉田拓は自力で戦うことになっても自信の走りでV獲りへ。主役の自覚を胸に、しっかりと強さを見せる。

 17年覇者の吉沢純平も地元のV候補として期待が大きい一人。普通に考えれば地元で連係し、位置は吉田拓の後ろ。ただ、17年の決勝は地元勢が4人で吉田拓とは別線に。師匠武田豊樹の前で捲りを決め、師弟でワンツーという結果だった。直前の佐世保全プロ記念では捲った坂井洋と真杉匠を差して2勝。ここでも勢いを見せるか。

 松浦悠士も確かな実力で人気を集めそう。前走全プロ記念では決勝に当たるSPR賞3連覇を狙ったが惜しくも小差で2着。1走目の優秀戦から、ここでも一緒の太田竜馬と連係し、優秀戦では捲った太田を差してワンツーが決まった。ここでは決勝で同じ着順を目指す。

 佐藤慎太郎は新田祐大の欠場で位置取りが流動的に。北日本での連係を基本にメンバー構成に応じた選択からV争いへ。巧みなさばきと鋭い差し脚の両方を武器に戦う。

 南関の主力は和田真久留和田健太郞。1月松戸FⅠでは3日間とも連係。いずれも和田真が前で動き、準決は和田健が差して1着、和田真が2着。目標不在となれば、ここも和田真が動く組み立てとみる。前々に攻めて、追い込み勝負の和田健とラインでの決着を目指す。

 宿口陽一も関東のS班として存在感を示したい。近況は落車もあって流れが良くないが再浮上へ、ここできっかけをつかめるか。

 近畿で怖いのは底力ある三谷竜生の捲り一発。追い込みの南修二も次走地元GⅠの岸和田高松宮記念杯へ弾みを付けるべく好走を見せそう。