GⅢ戦見どころ

 ダービー初Vの地で魅せます勝ちます

 5月いわき平ダービーで6回目のGⅠ優勝を決めた脇本雄太。ダービー制覇は2回目で、1回目は19年の松戸だった。しかも完全V。当地を走るのは、それ以来。GⅠの最高峰を初めて制した時の感動は心に残っているはず。いいイメージで4走の戦いへ。ここでも初戦から決勝までオール1着で人気に応えるか。強さは桁違い。他がどうにかしたくても、どうにもできない。圧倒的なパワーで警戒網を突破するだろう。

 脇本マークは近畿の仲間。中でも同県での連係が考えられるのが福井同士の伊原克彦だ。一予から勝ち上がり、脇本と決勝でのタッグを目指す。強烈な踏み出しと加速に対応できるかどうか。ゴールまで離されずに続くことは容易ではないが、気合で食らいつく。

 打倒脇本の一番手、逆転候補として期待が膨らむのが山口拳矢。昨年9月岐阜共同通信社杯で、デビューから史上最速でGⅡ制覇。その後、11月小倉競輪祭で落車負傷し、まだ完全には調子が戻っていない状態。そんな中でも4月大垣FⅠでは脇本を相手にV。脇本が自力勝負でなくラインの番手回りだったとはいえ、実戦で勝ったことは紛れもない事実。松戸はGⅡを制した直後、昨年9月にFⅠを走って❶①❷着。2度目の出場となるここでVゲットなるか。難敵撃破に闘志を燃やす。

 119期の有望株は犬伏湧也。昨年7月本デビューから9場所でS級に特進し、5月までにFⅠで4V。GⅢは2場所走って決勝進出はまだないが、力はすでに優勝争いを演じてもおかしくないレベル。実力No.1の脇本やGⅡ覇者の山口との対戦が実現すれば注目度は高い。上り調子の才迫開が中四国で犬伏と連係か。鋭いタテ脚を生かして上位食い込みも。

 地元の野口裕史と北日本を引っ張る高橋晋也は前走川崎FⅠで脇本と自力勝負で戦った。決勝は野口がライン2車で先行。単騎だった高橋は3番手の好位をキープした。しかし、6番手から捲った脇本が外を一気。あっさり優勝をさらわれた。ここでリベンジなるか。野口は徹底先行で勝負。ここは短走路で9車立て。脇本を後方に置き、うまくペースを握りたい。高橋も反撃に燃える。

 甲信の菊池岳仁末木浩二も機動力は確か。連係して力を合わせることも。うまく先手を取りたい。九州も積極策で力をつけている林大悟とタテ脚ある松川高大が連係すると強力だ。