西日本

いざ地元GⅠV

古性 優作

 純白のチャンピオンユニホームを身にまとった古性が、1年ぶりに地元・岸和田バンクに凱旋する。

 「グランプリユニホームを着て地元の大阪を走るのは初めて。期待に応える走りをするだけ」

 昨年8月の平オールスターで悲願のGⅠタイトルを獲得。それがプロローグの始まりだった。昨年末の静岡の「KEIRINグランプリ2021」を初出場で初優勝というあっという離れ業。単騎の競走ながら強力な関東作戦を痛快な捲りで粉砕しての見事な勝利だった。

 年頭は1番車の重圧もあったのかスロースタートだったが、22年一発目のGⅠ、2月の取手全日本選抜でインコースを突っ込んで優勝。早くも年末のグランプリの出場権を手に入れた。しかし本人は「良かったのは結果だけ。内容は良くなかった」と不満を口にした。レース内容にこだわるのはグランプリ王者となったプライドか。

 「グランプリを獲って1番車を着る重みは毎回同じ。戦法を立てやすいメリットはあるけどデメリットもある。最初の3カ月はしんどかったが、その後は楽しんで走っている」

 地元開催のGⅠとあればどうしても結果が求められるが、自然体で戦った時の古性なら大丈夫だ。

 自力基本のオールラウンダーとして縦横無尽な立ち回りで突破。地元ファンの声援を背に大舞台で華麗に舞う。

レース展望

 グランプリ王の古性がGⅠの舞台で地元凱旋レースに臨む。全プロ記念は「力んでいた。修正していく」と万全の態勢で臨む。究極の〝オールラウンドプレーヤー〟として激闘を突破。地元でのGⅠ制覇を果たして美酒に浸りたい。古性優作を含め地元5人衆。14年の同大会覇者・稲川翔がシャープな決め脚を駆使し台頭を狙う。南修二が厳しい立ち回りで好走や、差し脚好調な神田紘輔、機動力を生かす岡崎智哉が激走。

 初日特選スタートの東口善朋野原雅也の好戦は必至だし、実力者・三谷竜生の復調も明るい材料。さらには近畿の支柱となる村上義弘も控える。近畿勢が強力布陣。


 松浦悠士清水裕友の中国SS班ゴールデンコンビが連係してタイトル争いを展開。特に総合力屈指の評価もある松浦が、機動力主体の自在な戦法で、今年初タイトルを奪い獲る目は十分。呼応する清水もタテ攻撃が復活ならV争いに参戦だ。

 あっけない敗戦もある太田竜馬だが、エンジン全開ならハイスピードの先行捲りで上位陣を撃破の公算も。高松宮記念杯初参戦の町田太我石原颯の走りにも注目。

 中部勢はラインが手薄。しかし、第一人者の浅井康太が存在感を示そう。加速的な捲り脚を武器に浮上を図るが、メンバー次第では近畿勢と連係するケースも。

 九州勢に駒がそろう。特選スタートの山田庸平の自在戦法が争覇級。井上昌己のスピードや、衰えを見せない荒井崇博の強烈な決め脚も不気味。勢いに乗る嘉永泰斗や、実力者・中川誠一郎の大駆けも注。