立川競輪FⅠ(S級シリーズ)は、6月25日から27日まで3日間にわたって開催される。

 中心はGⅡ覇者で戦歴断然の諸橋愛。前走GⅠの岸和田高松宮記念杯でも決勝入りし、鋭い差し脚で好調キープ。関東で機動力ある森田優弥を目標にVチャンスをつかむ。

 1月当地FⅠでVの岩本俊介は千葉同士で強力先行の野口裕史とタッグなら有利。四国は機動力ある島川将貴や追い込みで力のある橋本強らで連係。タテ脚切れる小川勇介も好位回りなら怖い。(電投番号「28#」)


S級見どころ

 諸橋 差し一撃

 悲願のGⅠ制覇へ、40代半ばになってもトップレベルで挑戦を続ける諸橋愛。FⅠでは断然人気を集める存在だ。今年に入って優勝はないが、2月静岡記念を含め決勝2着が3回。前走高松宮記念杯でも決勝に進んで健在ぶりを示した。そこから中4日。いい流れのまま主役の走りを見せる。

 目標は関東の後輩で確かな機動力を備える森田優弥。直近連係は昨年12月静岡GPシリーズFⅠで2回。初日特選は逃げた森田を差して1、2着。ここでは決勝でのワンツーへ。前で仕掛ける森田を番手でガード。ゴール前で差し切りを決める。立川出場は1年ぶり。昨年も6月FⅠを走ってVゲット。再びしっかりと結果を出す。

 森田は高松宮記念杯で初戦失格。その悔しさを、ここで少しでも晴らしたい。諸橋の援護を受け、目指すのは押し切ってのV。納得の走りで結果を求める。

 同県での強力ラインが考えられるのが岩本俊介野口裕史の千葉コンビ。岩本は1月当地FⅠでV。決勝は森田が打鐘から出て先行。岩本は後方6番手に置かれたが最終2センターから外を踏み込むと直線一気の突き抜けを決めた。ここでは徹底先行タイプの野口との連係を意識しているはず。野口は前走弥彦FⅠで逃げ切りV。ここでもスタイルを貫き積極策。相手が誰でも主導権を渡す気はないだろう。先手を取り切れば、展開は番手を回る岩本に絶好。有利に抜け出し、当地で今年2回目のVが浮上する。

 島川将貴もスピードがあり怖い存在。立川では20年4月のFⅠで決勝に進んだが最終日が中止に。再び決勝に進んでV獲りへ。橋本強浜田浩司池田憲昭といった追い込み陣と四国で厚いラインを組めればチャンスが膨らみそう。

 小川勇介は高松宮記念杯で3日目、最終日と2勝。目標不在なら自在に立ち回ることになるが、理想は九州同士で機動力のある上田尭弥との連係。そろって決勝に進んで流れを引き寄せたい。

 渡部幸訓も切れのいい差し脚でV争いへ。森田と同じく高松宮記念杯で失格の憂き目。同県自力型の酒井雄多がパワーアップしており、番手回りから浮上の可能性は十分にある。

A級見どころ

 地元内藤高裕が5月FⅡに続き立川での連続Vを目指す。今期の優勝は3月前橋と2回。ここでは関東同士で先行パワーがアップしてきた秋本耀太郎との連係から抜け出しを狙う。

 目標不在でも怖いのが前走弥彦で完全Vを決めた泉慶輔。追い込み基本だがタテ脚は鋭い。直線の長い立川は戦いやすい舞台か。好位キープから突っ込む。

 田中勇二橋本凌汰の岡山コンビも前場所でそろってV。積極的な橋本のペースなら番手を回る田中に展開が向く。

 久樹克門吉松直人の四国勢も成績は安定。機動力ある久樹が好機に出ると浮上がある。