ドラゴンパワー全開

三谷 竜星

 実績光る三谷竜生が、近況調子を上げてきている。今年はここまで優勝は0。ただ、近況に限ると、5月の大垣で優出、6月の取手記念では3連勝で決勝に駒を進めた。着実に力強さを取り戻していて、好調時の動きに戻りつつある。

 迎えた高松宮記念杯。初日は後方に置かれる展開も、最終2コーナーから鋭く巻き返すと一気に前団を捕らえて、ラインでワンツースリーを決めて完勝した。続く白虎賞では3車そろった大阪勢とは別線を選択。岡崎智哉が果敢に先行して古性優作が番手捲りを決めるも、8番手捲りから猛然と迫って古性を苦しめた。成績こそ8着で、その後は準決で敗退。それでも着以上にパワフルな動きが光った。「落ち着いてしっかり踏めたし、行ける感じはあった。もう少しの感じだけど動けてはいる」と大舞台で自慢のパワーを爆発させて自信を取り戻している。

 自身ではまだ完調とはいかない様子だが、それはあくまで高いレベルの話。久々にビッグレースで輝きを放って存在感を示した。着実に復調している。グランプリの冠に加えて、GⅠを3度獲得した競輪界屈指の実力者。態勢は整ったなら、トップクラスの総合力を発揮して、昨年10月福井以来のVへまい進する。

 ◇三谷 竜生(みたに・りゅうき)1987年(昭62)9月5日生まれの34歳。奈良支部。101期。12年7月向日町でデビューして同開催で初V。13年ヤンググランプリ出場を皮切りに、特別競輪の常連に。17年日本選手権でGⅠ初Vを達成すると、18年にはグランプリを制覇。通算成績は803走238勝、32V(GP1V、GⅠ3V、GⅢ5V)。1㍍68、77㌔、血液型B。