シリーズ先行予想

世界魅了した脚力

小原 佑太

 北日本のスピードスター・小原佑太は2カ月ぶりの実戦になるが問題はない。昨年はヤンググランプリを制して世代の頂点に輝いた。直前には「自転車トラックアジア選手権2022」に出場。チームスプリント、1㌔㍍タイムトライアルで金メダルを獲得。世界に〝小原〟の名前をとどろかせた。身上であるスピードと航続距離の長さは着実にアップしている。

 2月全日本選抜ではGⅠ初勝利を含む2連対の活躍で、トップ戦線でも十分戦えることを証明した。出脚鋭い仕掛けから一気に主導権を握ってV争いは必至だ。

 小原とともに北日本勢の主軸になるのは阿部力也だ。近況は中間着が目立っているが、自慢の決め脚は健在。イキのいい小原を援護して、シャープな差し脚を繰り出す。

 18年のグランプリ覇者・三谷竜生は取手記念で優出、高松宮記念杯でも力強い走りを見せて着実に復調している。冷静沈着な運びから豪快な仕掛けで別線を蹴散らす。椎木尾拓哉は春ごろに成績が落ち込んだ時期もあったが、近況はリズムが好転している。直前の高松ではキレ味鋭い走りで優出して勢いに乗っている。鋭い差し脚が武器で、近畿の機動型が勢いをもらってゴール前突っ込む。

 勝負強さが光る渡辺雄太も見逃せない。強じんな脚力を武器に、俊敏自在な組み立てで別線をほんろう。立ち遅れることは少なく、的確な判断から鋭いタテ脚を発揮してVを目指す。松谷秀幸は5月平ダービーでの落車の影響もあり、まだ復調途上か。それでも総合力は高いレベル。渡辺ら、イキのいい機動型から勢いをもらって突っ込む。

 地元の谷口遼平は調子を上げている。高松宮記念杯の一次予選では鋭く捲って突破すると、白虎賞では3着。大舞台でも躍動していた。準決での落車は若干気になるところだが、最終日まで走り切っているところを見るとそこまで問題はないか。熟知するバンクで好スパートを決める。坂口晃輔は中部の機動型を巧みに援護して、別線をブロック。一級品の差し脚を繰り出して地元の牙城を守る