6レース制トーナメントが2つ(AとB)のオールガールズシリーズが、ガールズケイリン誕生10周年を記念して平塚競輪場で開催される。題してナイターFⅡの「ALL GIRL’S 10th Anniversary」。6月29日から7月1日まで好メンバーが熱戦を繰り広げる。豪華な顔ぶれの中で、ここではAとBからガールズグランプリ9回連続出場中(うち17年平塚でV)の石井寛子と地元平塚でのメモリアルレースに燃える尾崎睦に注目。同学年でもある2人を意気込みや調子なども含めて取り上げる。(電投番号「35#」)


 <トーナメントA>

 前走青森の決勝。まさかの7着に沈んだ石井寛子。本当に7着?これは現実か…。グランプリその他の特別レースやトライアルなどを除いた通常開催で、石井が7着。負けることはたまにあっても、どん尻の7着である。びっくり仰天。もちろんオッズは石井が断然人気。逆に石井7着という車券を売っていたとしたら、どれだけ高配当だったことか。1枚も売れずに特払いになっていたかも。通算500勝を達成した直後で無意識のうちに気の緩みがあった?いや、自分に厳しい石井に限って、そんなことはないはずだが…。

 小田原で500勝を達成する前の地元戦、京王閣で近況をたずねた時、石井はこんな言葉を口にした。「負けた時こそヒントがある。悔しい気持ちにならないと強くなれない」。3月、今年最初のコレクションを宇都宮で制し、その後も2場所連続完全V。だがその次の取手で落とし穴が。ナショナル組の太田りゆに力で圧倒されて3着に敗れた。「全然、惜しくはなくて大敗だった。それが凄く悔しくて…。メチャクチャ練習しました」。次の5月いわき平コレクションへ向けて猛練習。だがそこでも7着大敗。「やりすぎてしまって、うまくピークに持っていけなかった。勉強になりました。また新たな気持ちになって、勝ちたいと心底、思いました」。青森でのまさかの7着も、悔しさは相当だったのでは。心の下への振れ幅が大きければ大きいほど、石井は今より、もっともっと強くなれる。

 今回の10周年メモリアルシリーズについては「サマーナイト(玉野)の前哨戦だと思って。強いメンバーの中で、しっかり走ります」。今年の大きなテーマの一つは当地平塚でのグランプリ連続10回目の出場。平塚での序章としても、ここで巻き返しへ。強く美しく、まだまだイケてる走りと笑顔を多くのファンに披露する。

◇トーナメントA有力選手◇
児玉碧衣 27 福岡 108期
佐藤水菜 23 神奈川 114期
石井寛子 36 東京 104期
太田りゆ 27 埼玉 112期
奥井 迪 40 東京 106期
鈴木美教 27 静岡 112期
太田美穂 25 三重 112期
吉川美穂 29 和歌山 120期
荒牧聖未 32 栃木 102期
藤田まりあ 22 埼玉 116期
石井貴子 32 千葉 106期
吉村早耶香 24 静岡 112期
鈴木奈央 25 静岡 110期
加瀬加奈子 42 新潟 102期
土屋珠里 25 大阪 110期
南 円佳 22 鹿児島 116期
高橋朋恵 27 東京 108期
青木美保 24 埼玉 118期
荒川ひかり 27 茨城 110期

 <トーナメントB>

 平塚と言えば尾崎睦。尾崎睦と言えば平塚。単に平塚がホームというだけではなく出身が平塚。〝ビーチの申し子〟の異名でトップ選手だったビーチバレー時代から湘南が地元。昨年11月、通算300勝のメモリアルを当地で達成した時は「たくさんのお客さんが来て名前を呼んでくれて、ここが私の地元、ホームなんだなと。300勝目がここで凄くうれしい」としみじみ。今回はガールズケイリン10周年のメモリアル。10年前の7月1日に平塚で幕を開け、平塚で節目の祭典が開かれる。強敵ぞろいだが相手が強ければ強いほど地元で負けたくない気持ちは大きくなる。

 同時に、今年の尾崎は覚悟が違う。2年ぶりに平塚で開催されるグランプリ出場が、地元愛の強い尾崎にとっては悲願。2年前は次点で権利を逃し「何が何でも出る気持ちで頑張っている」。ここまでは、その思いをしっかりと結果につなげている。後半に折り返す前の時点で8回優勝。ここで9回目に挑む。昨年の年間11回に比べるとペースが早い。獲得賞金ランクは現在、5位で出場圏内をキープ。当然、ここでも勝つことに集中。まず気持ちの面では負けない。

 何となく気が強そうに見える反面、検車場で声を掛けると、いつもやさしい笑顔と口調で応じてくれる。競輪場入りする時のファッションは、目にするたびにスタイリッシュで格好がいい。地元ホームバンクでの注目レースを勝って輝けるか。その姿が見たい。

◇トーナメントB有力選手◇
小林優香 28 福岡 106期
柳原真緒 25 福井 114期
尾方真生 23 福岡 118期
梅川風子 31 東京 112期
尾崎 睦 37 神奈川 108期
小林莉子 29 東京 102期
坂口楓華 24 京都 112期
大久保花梨 24 福岡 112期
久米 詩 22 静岡 116期
日野未来 29 奈良 114期
山口真未 30 静岡 120期
吉岡詩織 27 広島 116期
細田愛未 26 埼玉 108期
林真奈美 36 福岡 110期
比嘉真梨代 33 沖縄 114期
増田夕華 22 岐阜 118期
中村由香里 41 東京 102期
飯田風音 20 埼玉 120期
高木佑真 23 神奈川 116期