函館競輪FⅠナイター「スポーツニッポン杯争奪戦」は、7月11日から13日まで3日間にわたって開催される。S級、ガールズ、A級の3本立てで1日合計12レース。

 S級の主役は北日本の自力型で実績、強さ共にトップレベルの渡辺一成。積極策で同期の地元・大森慶一と北日本でのワンツーへ。押し切ってVなるか。負傷長欠明けでも格の違いを見せると怖いのが村上博幸。京都同士で機動力ある高久保雄介との連係から抜け出しも。南関勢は田中晴基の自在戦に白戸淳太郎が続くか。鋭さある岡本総の突っ込みにも要警戒だ。

 ガールズは地元で本デビューを迎える122期卒記チャンプの畠山ひすいの走りに注目が集まる。(電投番号「11#」)


S級見どころ

渡辺 快速魅せる

 今シリーズから次走の青森へと北日本でのレースが続く渡辺一成。前期の1月から6月は優勝がなかっただけに、期が替わって臨む北日本地区のFⅠ連戦で勢いに乗りたいところ。前走久留米記念では今年初めてGⅢで決勝入り。ここで目指すのは、もちろん優勝だけ。自力でしっかりと持ち味を発揮して押し切りを目指す。ただ、地元で同期の大森が一緒。前を任されるとなると、2人で決めたい気持ちがより一層、強くなる。迷わず積極策。函館では12年前に記念でV歴も。イメージは悪くないか。果敢に出て強さを見せる。

番手は地元の大森

 のどから手が出るほど函館での優勝が欲しいのが大森慶一。意外なことに地元でのVは、かなり昔のA級で2回あっただけ。S級ではまだ決めることができずにいるがFⅠに限ると惜しい結果が多い。19年5月、19年9月、20年9月と3回続けて決勝2着。それより前にも決勝2着があった。そして昨年8月は準決で失格の憂き目に。今年は5月記念が当地1場所目。準決に進んだが6着で決勝入りはならなかった。その分も、ここで流れを引き寄せたい。実力のある渡辺とのタッグが望めるとなればチャンス十分とみていい。まずは追走に集中。ゴール前での差し切り逆転に懸ける。

 戦歴最上位は日本選手権を含め4日制以上のGⅠを3回制してグランプリも勝っている村上博幸。当然、本来ならば有力なV候補。だが1月大宮記念準決での落車で左鎖骨骨折、長欠明けの初戦だけに不安が残る。ケガが回復して練習を積み脚力が戻っていたとしても、約半年ぶりの実戦でレース勘がどうか心配。ただ、目標は確か。京都1班同士での連係が考えられる高久保雄介とは落車負傷する前日、大宮記念二予で一緒。打鐘から出て逃げた高久保の番手回りから1着をゲットした。高久保が先手を取れば、再び有利な流れが望める。復帰戦でいきなりのVゲットもあるか。

 南関の主力は田中晴基白戸淳太郎。2人とも追い込み型だが田中は自在に動くことも可能。白戸に任されれば前々強気に攻めるか。好位キープなら怖い。岡本総は渡辺同様、久留米記念で決勝入り。切れ味を生かして鋭く突っ込むと上位争いに浮上する。

ガールズ見どころ

 注目は122期地元新人レーサーの畠山ひすい。卒記を決勝まで逃げ切り3連勝で制した逸材。走りは積極的で先行の組み立てがメイン。ルーキーシリーズは3場所を走って1V。ホームバンクで迎える本デビュー初戦も果敢に出て押し切りを目指す。

 安定感では岡本二菜だ。ここが今期2戦目だが初戦の伊東では①①❷。自在に攻めて昨年11月別府以来のVを狙う

 飯田風音は機動力が持ち味。6月松戸4日制ナイターでは初日に児玉碧衣を相手に逃げ切り勝ち。ポテンシャルは高く勢いに乗ると怖い1人と言える。

 ベテラン健在の中村由香里は前々キープから浮上も。成田可菜絵川嶋百香や函館がホームの伊藤のぞみも連候補に挙がる。