弥彦競輪開設72周年記念GⅢ「ふるさとカップ」は、7月28日から31日まで4日間にわたって開催される。

 各地区から好メンバーがそろって激突するが層の厚さで上回るのは関東勢だ。S班戦士の出場が関東から平原康多、吉田拓矢の2人だけ。地元不屈のファイター諸橋愛や若手自力型で真価を発揮し始めている117期早期卒業生の菊池岳仁らがいて充実度は一番。

 北日本はビッグ戦線でもこのところ連係が多い福島の成田和也と小松崎大地が強力タッグ。九州からは、いま最も勢いのあるベテランレーサーの荒井崇博が追加で参戦してシリーズを盛り上げる。(電投番号「21#」)


GⅢ見どころ

充実関東ラインのエースが決める‼

 弥彦での直近のグレードレースは昨年10月GⅠの寛仁親王牌。栄冠を手にしたのは平原康多だ。そして直近のGⅢは一昨年7月。7車立てだったが、これも優勝したのは平原。今から14年前の08年4月、GⅡのふるさとダービーで決勝2着に。だが、その後は当地で失格、落車、途中欠場、最終日まで走れても決勝に進めなかったりと、あり得ないくらいに負の流れが続いていた。それが逆に2年前からV字回復とばかりに上昇機運に乗った。プラスイメージに変わった弥彦バンクで、関東のエースが今年も暴れる。

 

 落車後の出場だった前走GⅡ玉野サマーナイトFは振るわなかったが、ここで巻き返しへ。親王牌決勝でも前を任せた吉田拓矢が、ここでも一緒。玉野の初日では連係が決まらなかっただけに、その分も後輩としっかり呼吸を合わせて取り戻しにいく。次走地元GⅠの西武園オールスター(8月9~14日)を好ムードの中で迎えるためにも、ここで確かな手応えと結果が欲しい。

前に吉田拓、後ろに諸橋

 意気込みでは地元のNo.1レーサー諸橋愛だ。平原と同等かそれ以上に、ホームバンクで主役の期待が掛かる。17、18、19年と当地記念を3連覇。FⅠでも当然のように、走れば、ほぼ優勝。一昨年記念は2着で平原とワンツー。昨年親王牌も決勝に進み、平原の後ろ回りから最後の直線で全身全霊の勝負を懸けたが無念の落車(携入でゴール)。ここでも平原や吉田拓と連係となるか、もしくは信越、甲越同士で近況上昇ムードの菊池岳仁や末木浩二とラインを組むことも。どうあれ優勝だけを目指して闘志あふれる走りを見せる。

 

 吉田拓矢も平原と同じS班だけに脇役に甘んじてはいないはず。今年3回目の記念Vゲットに気合を込めて強さを発揮する。菊池は前走宇都宮FⅠでS級2回目のV。地元の意識で走るここと次の西武園オールスターに照準を合わせており、前走以上の迫力をレースで見せそう。積極策で押し切りなるか。

 かつての輝きを取り戻して復活気配なのが成田和也荒井崇博。両者共にビッグレースで活躍を見せて存在感たっぷり。今年の賞金ランク(26日現在)は成田12位、荒井10位。グランプリ権利も現実味を帯び、十分に狙える位置にいる。成田は同県後輩で機動力ある小松崎大地と連係、荒井は九州同士の松本秀之介上田尭弥と決勝での同乗を実現させたいところ。

 

 近畿のV候補はGP、GⅠ覇者で確かな機動力を備える三谷竜生。追い込みで安定している東口善朋も三谷マークから浮上が考えられる。