6日制ナイターGⅠの「第65回オールスター競輪」が、9日から14日まで西武園競輪場で優勝賞金5368万円を懸けて開催される。出場メンバーはS級S班9人を含む精鋭135選手。ファン投票2年連続1位に輝いた関東のエース・平原康多が地元GⅠ初制覇に挑むほかスター選手が集結して熱戦を繰り広げる。

 3日目と2日目の最終11Rではガールズケイリン総選挙2022(ファン投票)の得票数上位者が権利を得る特別競走のガールズドリームレース、アルテミス賞が児玉碧衣、石井寛子、佐藤水菜、太田りゆ、南円佳、久米詩、日野未来(以上ガールズドリームレース)、高木佑真、梶田舞、山原さくら、小林莉子、梅川風子、尾方真生、奥井迪(以上アルテミス賞)の各7選手により争われる。(電投番号「26#」)


地元GI初制覇へ
平原が全開だ


 西武園でのオールスター競輪開催は04年以来で18年ぶり。GⅠは08年全日本選抜以来で14年ぶりになる。平原康多は02年デビューで04年オールスターには出場しておらず08年全日本選抜が地元GⅠ初出場。08年と言えば平原が初めてグランプリに出場して2着に入った年。4月、8月、10月とGⅡのふるさとダービー、共同通信社杯で決勝2着に入りGⅠでも3月ダービー、6月高松宮記念杯、7月寛仁親王牌で決勝進出。そんな中で当時12月開催だった全日本選抜では❹④④⑥と結果を残せなかった。そこから14年の時を経て再び地元ビッグの舞台に。数少ないチャンスだけに、今回こそはの思いは強いはずだ。

 そのために力を合わせるのが関東の仲間。地元S班同士の宿口陽一や後輩の森田優弥、直前に勝った弥彦記念でも連係した吉田拓矢、5月いわき平ダービー決勝で前を任せた真杉匠も頼もしい味方。スター選手がそろう中でもラインの厚みを生かせれば互角以上の勝負が可能になる。

 今年のビッグでまだ決勝進出がない吉田拓も、ここでヒットを飛ばしたい。当然、優勝を目指すが、獲得賞金額アップのためにも確定板入りは絶対。先行パワーある真杉や弟の吉田有希との連係が実現すれば有利に運べる。真杉は直近2年のダービーで決勝入り。今年5月のダービーで捲られた脇本雄太との再戦なるか。リベンジを果たして関東から優勝者を出すことがテーマ。経験を生かしてペースをつかみたい。

 そうはさせじとモンスター級の強さで襲いかかるのが脇本。ダービーでは真杉―平原の二段駆けを1角捲りで撃破。昨年オールスターの決勝は打鐘先行で粘り、差した古性とワンツー。単騎で3番手だった平原に踏ませず、4番手捲りの新田も不発に。世界レベルのパワーは桁違いだ。古性優作はオールスターVの後、単騎捲りでグランプリを制して今年のGⅠで2V。ダービーでは優勝した脇本とワンツーならず。その分も、ここに気合。今年も脇本との近畿頂上タッグでオールスター連覇を目指す。

 中国のS班は松浦悠士と清水裕友だが変わらず堅実なのは松浦。前走玉野サマーナイトでは中四国同士の犬伏湧也との連係で昨年の函館に続く連覇を決めた。20年以来2度目のオールスターVへ、ここも自信の走りを見せる。清水は近況ひと息も、きっかけさえつかめば再浮上。いつも注目されるのは松浦との前後。それだけでなく町田太我、太田竜馬、犬伏、石原颯ら頼れる後輩の自力型と中四国で連係も望める。巻き返しなるか。

 南関の軸は郡司浩平。決勝を走る前に途中欠場の佐世保記念から2週間弱。コンディションがどうか。不安がなければV争いは必至。深谷知広とタッグなら破壊力十分。同県後輩の松井宏佑も大きな戦力だ。もちろん自力でも強さを発揮できる。

 北日本で活躍が待たれるのがスピードスターの新田祐大。そしてS班の追い込み型は佐藤慎太郎と守沢太志。地区の主力に戻ってきた成田和也も上位のレースで技とキレがさえる。

 九州で注目はS班勢をしのいで5月以降の平均競走得点最上位をキープする荒井崇博。5月ダービー、6月高松宮記念杯、7月サマーナイトで決勝入り。地区の仲間と共に流れをつかむと一気に浮上。GⅠ初制覇&GP初出場を目指してノンストップで突き進む。

 中部のV候補はオリオン賞から一緒になる浅井康太と山口拳矢。初戦で力を合わせて好連係を決め、波に乗りたい。