S級見どころ

「年末ヤングGPへ弾み付けたい」

 豪華メンバーの中で激戦を制すのは誰か。ここでは昨年9月、デビューから史上最速でGⅡを制した山口拳矢に注目したい。20年5月のデビューから昨年にかけての勢いはすさまじかった。ルーキーシリーズ2場所完全Vの後、チャレンジから18連勝で一気にS級まで駆け上がった。特進を決めたのが20年9月で、S級初Vは12月。昨年はGⅡ共同通信社杯での優勝のほか同じGⅡの7月サマーナイトFで決勝2着、FⅠでは5回のV。デビュー2年目でグランプリ出場の快挙へ圏内まで浮上した。

 だが10月以降に落車が続いてまさかのブレーキ。最終決戦の11月競輪祭でも2走目落車で結果を残せず、惜しくも賞金ランクで次点となりベスト9入りを逃した。競輪祭の落車で左肩鎖関節、鎖骨に大きなダメージを負い、その影響もあって今年は昨年ほどの勢いはなし。それでもFⅠでは11月までに4V。次に控えるヤンググランプリ(28日、平塚)へ、ここを勝って弾みを付けたい。自力を基本に前々に攻めて結果を出すか。

 福島同期、GⅠ覇者同士での連係は成田和也山崎芳仁。特に充実は成田だ。今年のビッグで5回決勝へ。最後の最後までグランプリ権利を争った。捲る山崎に乗って切れ味発揮。ゴール前での突き抜けも。

 積極策で関東を引っ張るのが森田優弥。前走名古屋FⅠで今年3回目のV。競輪祭3走目ダイヤモンドレースでの失格から軌道修正。果敢な走りで力を出し切る。武田豊樹が森田を番手でガード。1月松戸FⅠは約4年ぶりのV。8月取手で今年2回目を決めた。少しずつでも調子は上向きと言っていい。森田がペースを握ればV争いへ。

 追加で出場の和田健太郎も安定感は抜群。今期FⅠで3V、前走松戸記念でも決勝まで全て確定板入りと堅実さが目立った。ここは鈴木裕と同県連係。自在に運ぶ後輩を差してのワンツーを決勝で目指す。