トップクラスを迎えた久留米競輪の「第22回戸上守杯×HPCJC」(FⅠ)が、18日から3日間開催される。東西の精鋭が集まる見逃せないシリーズだが、V争いの中心は充実一途の北津留翼(37=福岡)だ。タテに踏む脚力は頭一つリード。仕事納めとなる久留米で北津留が今年6度目のVに照準を定める。


 今年の「戸上守杯」も東西の実力者、個性派が集まった。見逃せない優勝争いが展開されそうだが、中心に推すのは北津留翼だ。当地は息の合った九州連係で6月のGⅢ「中野カップレース」を制覇。90期の37歳ながら、脚力はいささかも衰えていない。直前の別府FⅠ決勝はナショナルチームに所属する山崎賢人と連係。鈴木庸之が山崎にジカ付け宣言する中、山崎マークを守り、完全Vで今年5回目の優勝を飾った。

 自分でやっても勝てるパワーとスピードを誇る北津留だが、今回は上げ潮ムードの松岡辰泰との連係が見込める。地元の野田源一は例によって単騎を選択するのだろうか。人のいい北津留のこと、野田に遠慮するケースもあるだろう。勝ちたい気持ちが強いのはホームバンクの野田。本線を形成する九州勢の折り合いにも注目だ。

 タイトルホルダーである北日本の渡辺一成も健在。自慢のダッシュ力で風を切るパターンに持ち込むとしぶといマーカー大槻寛徳がしっかり仕事をする。差し脚スムーズな大槻の逆転がある。南関勢も好勝負。主導権争いに燃える松井宏佑の番手は松谷秀幸がガッチリ守る。さらに売り出し中の青野将大が勝ち上がると強力な神奈川ラインができあがる。仮に青野―松井―松谷のシフトが完成すれば笑うのは松井か松谷となる。新田康仁も侮れない存在だ。

 取鳥雄吾も乗れてる一人だ。前回の小倉FⅠをパワフルに攻め切り3連勝。追加斡旋された岩津裕介の存在は取鳥にとって心強い。この岡山コンビも間違いなくV争いに加わることだろう。四国は差し脚切れる池田憲昭が代表格。好調久米康平の動き次第ではチャンスが訪れる。関東は復調気配の横山尚則が一発をもくろむが、ライン戦となると劣勢の感は否めない。末木浩二は展開を突いてどこまで食い込めるか。

バンク特徴

 クセのない標準的な400走路。冬場は重め。先行有利と言えるが、S級戦となると逃げ切りはさすがに厳しい。31度28分37秒とカントはきつめ。コーナーの出口で外に膨らむことがなく、捲りが決まるようになった。50・7㍍と直線のみなし距離は短め。内、中、外と平均して伸びるが、先手ラインの3番手から中バンクを使い、突き抜けるシーンをよく目にする。


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