【北日本】

 結束か2つに分かれるかが注目された北日本勢は12月20日の共同会見で結束することを表明。並びは新山響平―新田祐大―守沢太志―佐藤慎太郎の順。同じく北4人がまとまった競輪祭決勝とは新田と新山の前後が逆。3番手に守沢、4番手が成田和也から佐藤に。競輪祭は新田の引き出しに乗った新山が悲願のGⅠ初制覇。ここでは新山が新田の前で積極策に徹する。

前に新山、後ろは守沢-佐藤

新田 祐大

◇天国と地獄

 ラインの軸は番手を回る新田だ。今年はどん底から絶頂へ。5月いわき平ダービー前検日の指定練習中に落車して右肩鎖関節脱臼の重傷。地元での最高峰GⅠがまさかの事態で不意に。だが不運の後に、それを十分に補えるほどの幸運を引き寄せた。ケガから復帰して3回目のGⅠ、10月寛仁親王牌で決勝に進むと内に包まれるピンチをしのいでV。これでGⅠ全6冠制覇、2年ぶり8回目となるGP権利も手にした。

 「後半戦までGPというものを若干、諦めていた部分があったが、北日本の先輩、後輩の支えがあり到達することができた。うれしいことだなと思っている」。まさに地獄から天国。競輪祭で新山を優勝に導いた後、今度は「7冠目」(GⅠ6大会+GP)へ。天国モードのままイケイケ、押せ押せ。強力ラインを味方に、流れが来ている今こそがチャンス。ここで一気にたたみかけるか。

守沢 大志

 3番手を回る守沢も有力なV候補。3年連続3回目のGPだが鋭いタテ脚に磨きをかけ実力レベルは最高潮。ケガが響いて万全ではなかった昨年と今年は全く違う。「北日本4人は大きなアドバンテージだと思う。その中でしっかり自分の仕事をして精いっぱい頑張る」。新田の後ろからゴール前で突き抜けへ。ビッグ初制覇の期待が膨らむ。

佐藤慎太郎

 4年連続8回目、19年覇者の佐藤は守沢に前を譲って4番手。「今年もこの場に戻ってこられてうれしい。100点ではないにしても合格点に近い年だと思っている」。落車後だった競輪祭はひと息だったが「トレーニングは計画通りできている。競輪祭が仮に60くらいだとすると今は90くらいまで戻ったかな。いつも言っていることだがラストチャンスのつもりでしっかり頑張りたい」。4月記念以来、今年2度目の平塚バンクVを目指す。

新山 響平

 競輪祭を制した新山は、ここではラインの先頭。新田の前で先手を取ることに集中する。「初出場で、まさしく新参者なんですけど自分の走りができるように」。目いっぱい、果敢に仕掛けて力を出し切る。