豊橋競輪のS級シリーズ「三遠ネオフェニックス杯」は、7日に開幕。岸和田の年またぎ新春シリーズを制したばかりの稲川翔が連続Vに燃える一戦。三谷竜生との強力タッグでレースの流れを支配する。純粋な先行力なら根田空史がリード。先手必勝なるか。


 地元岸和田の年またぎ新春レースは、正月から激しい決勝戦となった。

 稲川は南潤、稲毛健太の和歌山勢を3番手でバックアップ。まずは南が上昇してきた嘉永泰斗を赤板過ぎに突っ張る。ただ、すかざす来た第2の矢・取鳥雄吾に打鐘で叩かれる流れに。それを見た番手の稲毛が打鐘4コーナーから自力を発動するが、これも取鳥に踏み合わされて万事休す…。

 前の2人からバトンを託された稲川は、取鳥の後ろに車を下ろして隅田洋介と並走勝負に。激しい肉弾戦により外を捲り上げてきた嘉永と接触するシーンもあったが最終バックで隅田をさばき切ると、返す刀で3コーナー捲りを敢行。2センターで逃げる取鳥を叩き切り、見事に23年初Vを飾ってみせた。

 今回の相方は三谷竜生。こちらも徐々にではあるが本来の力強い走りを取り戻しつつある。何よりもGⅠ最前線で共に戦ってきた2人だ。思考、判断、脚力と全てがハイレベル。お互いの持ち場でそれぞれの力を出し切れば、その破壊力は倍増するだろう。初日特選から非常に楽しみだ。

 近畿のカリスマ・村上義弘氏の電撃引退に揺れた昨年の近畿地区。それでもKEIRINグランプリでワンツーフィニッシュを決めた脇本雄太と古性優作が近畿の伝統と誇りを誇示し、大きな勇気と希望を与えくれた。稲川も三谷も、その中核として活躍するべきタイトルホルダー。ともにGⅠ全日本選抜(2月23~26日、高知)に向けて、どんどん加速していきたい。

先行予想

 稲川、三谷がリードする近畿勢がシリーズの流れを掌握しそうだ。稲川は地元岸和田の新春シリーズで優勝と幸先のいい滑り出し。三谷も近況はFⅠ戦では決勝枠を外しておらず、徐々に調子を上げてきている。予選組では何でもできる窓場千加頼や、先行力ある中釜章成らが意地を見せるだろう。「2023年も近畿の年」を体現しそうだ。

 純粋な先行力なら根田が1番だろう。Gクラスでも展開を左右できる脚力は、南関チームにとっての大きな原動力となる。同県の山賀や石毛克幸はもちろん、レース巧者の桐山も頼もしい存在だ。総力を結集したライン戦に持ち込めば十分に勝機はある。

 名うてのマーカーもそろった。関東勢の主軸となるのがGⅠ、GⅡ決勝の舞台を経験している武藤だ。恩田、芦沢、山下らとともに黒沢や伊藤慶太郎、佐藤礼文ら自力選手をうまくバックアップして、勢力図を広げていきたい。

 渡辺一成の欠場により攻撃力ダウンの北日本勢は、シャープな追い込みが持ち味の阿部や桜井を中心に踏ん張りたい3日間。予選から箱田優樹、伊東翔貴、磯島成介らの機動力タイプが勝ち上がってくれば、少しは好転するだろう。

 中部勢では地元・高橋や松岡の1班コンビやスピードある伊藤裕貴、魂の走りを見せる北野良栄などの奮闘に注目したい。


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