別府競輪の「モーニング7・第16回都ネクタイ杯」が15日から3日間開催される。今シリーズはA級1、2班の精鋭が集まるFⅡ戦。V争いは波乱含みとなるが、頭ひとつリードするのは前期S級の実力者・小林令(27・山梨)だ。同じく今期降格した渡辺豪大(福岡)や山崎将幸(宮城)らで激しい攻防が繰り広げられる。


 今シリーズは混戦相場の1、2班戦。突出した選手は不在だが、戦歴を見る限り小林令(山梨)が一歩リードする。強気な位置取り、落車を恐れぬコース取りは得てして落車、事故点過多のリスクを伴う。昨年2度の失格を喫し、無念のS級降格を余儀なくされた小林だが、脚力は健在。追い込み主体の戦法ながらメンバー、展開次第では飛び道具(捲り)も兼備する実力者だ。

 今期は3場所を消化。いずれも決勝で辛酸をなめる皮肉な結果となっているが、準決は安定した取り口で決勝へとコマを進めている。小林を中心に関東勢が息の合った連係を見せることだろう。伊藤亮(埼玉)が急きょ欠場。機動力ある鈴木雄一朗(東京)が小林と連係するはず。

 忘れてはならないのが荒木貴大(埼玉)と片桐善也(新潟)の存在。荒木はBS18回、片桐はBS16回を引っかける先行マニア。つまり小林が目標に事欠くことはない。仮に埼京勢の勝ち上がり次第で小林との折り合いが微妙にはなるが、3番手回りでも小林のV圏内とみた。

 復活をアピールする渡辺豪大(福岡)も差はない。昨年、静岡から移籍。栗田雅也(静岡・84期=引退)の門下生はここにきて機首をググッと持ち上げている。降格初戦の久留米こそ準決で大敗したが、2場所目の小松島❷①❶、松山❸①❷、そして直前のホームバンク小倉をピシャリ❶①❶でまとめ存在を誇示した。

 自分でもやれる渡辺だが、今回は積極性光る鶴良生(福岡)とセット配分。おまけに桑原亮(福岡)が追加あっ旋。桑原と鶴は同じ久留米をホームバンクに持つ。小倉がホームバンクの渡辺との折り合いは微妙ながら福岡勢も脚力に差はない。動ける松岡孝高(熊本)の動向も見逃せない。九州勢の核を形成する渡辺の連覇も十分可能だ。

 北日本は山崎将幸(宮城)が筆頭格。こちらもS級降格組だが、安定感はキラリ。ただし同地区に上位に通用する先行型が見あたらない。山崎の位置取りが注目される。中四国は劣勢の印象だが、差し脚切れる福島栄一(香川)が追加参戦。スピードある今野有樹(愛媛)がかまし、捲りで応戦。今野―福島―蓮井祐輝(香川)で四国勢がまとまり、福島が浮上するパターンもあり得る。


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