別府競輪の「スポーツニッポンカップ」がS級の精鋭を迎え、2月24日から26日までの3日間、開催される。

 V戦線は山口拳矢(27=岐阜)が引っ張る。持ち点113が示す通り、脚力、実績はメンバー中、ピカイチ。すでにGⅡウイナー、直前の伊東でもGⅢ初Vを飾るなど脚力、実績ともに文句なしだ。地元の阿部将大がどこまで抵抗するかが最大の見どころ。


大会展望

存在感際立つ山口拳

 今年最初のGⅠ全日本選抜(高知)が同時開催。当地〝スポニチC〟はいわゆる裏開催の「FⅠ戦」で参加メンバーは小粒だが、そんな中でも山口拳矢の存在が際立つ。父・山口幸二氏(62期=引退)、兄・聖矢(115期)、さらに叔父に山口富生(68期)を持つ競輪一家。幼い頃から父と叔父の背を見てきた。

 早期卒業した寺崎浩平、菊池岳仁ら粒ぞろいの117期にあって、いち早くタイトルを獲得したのが山口だ。21年、地元の岐阜で行われたGⅡ共同通信社杯を制し、トップレーサーにその名を刻んだ。直前の伊東GⅢは初日特選で車体故障で8着だったものの、2日目からキッチリ修正。二次予選、準決を連勝し臨んだ決勝は番手捲りする隅田洋介―久保田泰弘にスイッチ。直線外を一気に突き抜け、GⅢ初優勝を達成した。

同期対決に燃える地元・阿部

 その山口が不動のシリーズリーダーとなるが、山内卓也八日市屋浩之(47=石川)ら中部のマーカーが山口の番手を守り切れるのか。

 いや、地元の阿部将大が山口との同期対決に燃える。山口とは伊東GⅢ決勝で対戦。敗れはしたものの、売り出し中の青野将大(神奈川)との激しい先行争いを制したのは好調の証。こちら阿部も昨年の高知でGⅢ初Vを手にしたパワーヒッターだ。地元バンクでさっそくリベンジのときがきた。

 阿部マークは松岡貴久が死守する。このところグレードレースでは目立たないが、GⅠ常連の実力者でもある。阿部―松岡の連係が見逃せない。

 近畿は川村晃司山本伸一藤田勝也ら機動力ある面々が控える。前述の山口、阿部と同期の仲野結音(23=大阪)が近畿ラインを先導すれば波乱もあり得る。

 中四国は堤洋北村信明の徳島コンビに友定祐己が代表格だが、先導する宮本隼輔がひと息だけに劣勢の印象だ。