4日制GⅢの「第5回大阪・関西万博協賛競輪」は、4月27日から30日まで福岡県・久留米競輪場で開催される。

 GⅠ平塚日本選手権(通称=競輪ダービー)の直前でS級S班ほかトップ選手の多くが不在。そんな中で主役を務めるのは、主力メンバーの中では戦歴断然の村上博幸だ。基本は追い込み勝負。近畿の仲間と地区での連係からゴール前で鋭さを発揮する。地元福岡勢は久留米がホームで得点上位の吉本卓仁が軸。松本貴治も確かな機動力でV争いへ。そのほか好メンバーがそろって激突。連日、熱いバトルが繰り広げられる。(電投場番号「83#」)


GⅢ見どころ

〇村上の底力信頼

 村上博幸が平塚ダービー(5月2~7日)に出場できないのはケガの影響。昨年1月大宮記念での落車で左鎖骨を骨折し、その後、6月まで欠場。選考期間(昨年2月から今年1月)の約半分を走れず、獲得賞金額をアップさせられなかったからだ。

 ただ、7月に復帰してからの成績は右肩上がり。今年1月までにFⅠでは4V。1年3カ月ぶりのGⅠとなった2月高知全日本選抜と、3月GⅡ別府ウィナーズカップでは結果を残せなかったが、調子の面は上向きと言える。

 久留米登場は半年ぶり。昨年10月、熊本記念の代替開催以来だが、その時はS班ら強敵がいた中で決勝2着。当地で走るGⅢのイメージは悪くないはずだ。近畿同士の自力型で目標となりそうなのは中井太祐小森貴大。追い込み主体にガッツあふれる走りを見せる南修二の存在も大きい。地区での好連係から、近畿のリーダー格がVチャンスをものにする。

 地元のV候補は久留米がホームの吉本卓仁坂本亮馬。特に注目は得点上位の吉本だ。今年はFⅠのみの出場だが3月福井でVなど安定。動くことも可能だが同県の自力型でパワーのある林大悟との連係が望める。地元を舞台に今年初出走のGⅢで結果を出すか。

 坂本は吉本の後ろからの勝負となりそう。久留米GⅢでは14年記念でV歴。今回も出場する中川誠一郎の逃げに乗って抜け出しを決めた。近況は流れが良くないが、ここで巻き返しへ。気合の走りでヒットを飛ばしたい。

 自力型で最も得点を持っているのが松本貴治。直近のGⅢ出場は3月松山記念で、その時は①①②❷と地元で活躍。その前の伊東FⅠでは今年初Vを決めた。今回は落車後で、状態面がやや心配。自在性も備えており、ケガの影響が少なければ好勝負は間違いない。

 山岸佳太はGⅢで過去3V。勝負強いだけに気になる。基本は自力勝負だが前走松山FⅠでは準決、決勝とラインの番手を回った。今回も同県後輩で頼れる自力型の朝倉智仁橋本壮史が一緒。連係できれば前を任せることになりそうだ。展開が向けばチャンスは逃さない。

 菅田壱道は20年3月、当地でのGⅢ・国際自転車トラック競技支援競輪(3日制)でV。流れに乗れなかった前走松山FⅠの分も、イメージのいい当地で巻き返しへ。自在戦で前々に攻めるか、北日本同士で確かな機動力を持つ嵯峨昇喜郞と一緒になれば番手回りから追い込み勝負でVチャンスを狙う。

 吉田敏洋は中部の主力が少ない中で自力勝負となるか。混戦になると捲りが決まりそう。

 南関勢も自力で強い根田空史大石剣士や器用さのある佐々木真也ら戦力は充実。うまく力を合わせると怖い。


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