競輪界GⅠの最高峰「第77回日本選手権競輪」は、5月2日から7日まで平塚競輪場で優勝賞金8600万円(副賞含む)を懸けて開催される。S級S班8選手を含む162人の精鋭が出場。昨年に続きシリーズ連覇を目指す脇本雄太のほか豪華メンバーが勢ぞろいし、6日間にわたって熱く激しいバトルを繰り広げる。

 また、5月4日(3日目)第12Rではトライアルレースで好成績を収めた女子レーサーが出場する「ガールズケイリンコレクション2023平塚ステージ」が小林優香、石井寛子、久米詩、柳原真緒、山原さくら、野口諭実可、奥井迪の7選手により争われる。(電投番号「35#」)


 昨年ダービー、オールスター、グランプリを制して競輪界史上初の3億円レーサーとなった脇本雄太。暮れのグランプリを勝った後、今年に入ってからも1月の記念で連続完全V。スタートダッシュを決めて勢いを持続しているかに思えたが、2月奈良記念の2日目に途中欠場してからリズムが乱れた。蓄積した腰のダメージの影響もあって、要所で勝ち切れない場面が見られたが、前走武雄記念では4日間とも桁違いのパワーで他を圧倒。GⅢで今年3回目の完全Vを決めた。展開不問の強さは本来のイメージそのもの。コンディションを維持していれば、ここでも異次元レベルのハイパワーが見られそう。強烈なカマシか捲りで外を一気にのみ込む。

 脇本と近畿S班での連係に集中するのが2月高知全日本選抜を脇本との連係から制した古性優作。ここも信頼し合う最良のパートナーと強力タッグを組む。3月別府ウィナーズカップ決勝は脇本の前を回って攻めの組み立てを見せたが基本は番手での競走。前で鋭く仕掛ける脇本にしっかり続いてガード。ゴール前勝負での差し切りへ。理想は自分が勝ってのワンツー。自身が2着だったグランプリとは逆の結果を目指す。

 郡司浩平は地元でのダービーへ必勝の構えで挑む。同じ平塚が舞台だったグランプリはワンツーの近畿コンビに一歩及ばず3着。その悔しさも、ここにぶつける。前走小田原では今年2回目の記念V。ここを前に、地元で勝つイメージをしっかりと頭に刻み込んでいる。小田原でも連係した同県後輩の松井宏佑や南関同士で絆を深めてきた深谷知広と力を合わせての挑戦。そのほか地元、南関の仲間との厚いラインで勝利を引き寄せたい。

 北日本も戦力は充実。S班の4人は新田祐大、佐藤慎太郎、新山響平、守沢太志。そのほか特選シードの成田和也、小松崎大智らがV獲りに名乗り。ラインの軸は新田だ。もちろん自力でも強いが、先行勝負に迷いのない新山と連係ならチャンスは倍増。無念の落車(再乗8着)に終わったウィナーズカップとは違う結果へ。絶好の流れを今度こそものにしたい。

 中国勢は松浦悠士と清水裕友がゴールデンタッグへ。特選は別のレースだが、そろって勝ち上がり、2月静岡記念以来となる決勝での連係を実現させたい。ただ、松浦は武雄記念準決で落車した後のレース。どこまでコンディションを戻して走れるかが気になる。ウィナーズカップ不出場だった清水は2月高知全日本選抜以来のビッグ出場。直近3場所はFⅠを走って優勝1回、決勝2着1回。ダービーの大舞台で輝く姿を見せられるか。気持ちを入れて6日間を戦う。中四国の若手で注目は犬伏湧也。2月全日本選抜ではシリーズ3勝。3月大垣記念でGⅢ初制覇。初出場のダービーでブレークを予感させる。

 関東はエースの平原康多が前走落車の影響で欠場。同じレースで落車しているが、地区の中心は吉田拓矢になるか。栃茨同士で先行力確かな真杉匠や坂井洋、同期の犬伏同様に初のダービーとなる弟の吉田有希が頼れる味方。一緒に決勝まで進むことがテーマになるか。

 中部のV候補は直近FⅠ2場所で連続Vの山口拳矢と2場所前に地元四日市GⅢを制した浅井康太。

 九州では3月松山記念を勝ったほか、ビッグレースでも存在感を増してきている山田庸平が活躍しそう。


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