「創刊75周年スポニチ杯」の冠が付く武雄競輪の日本名輪界カップ「第25回井上茂徳杯」がS級の精鋭を迎え、8日から3日間開催される。平塚ダービー直後ということで傑出者は不在。波乱ムードが漂う中、KEIRINスポニチはファイター大塚健一郎(45=大分)をシリーズリーダーに推す。好気配の林大悟らと息の合った九州連係で健脚を発揮する。


 25回目を迎えた今年の「井上茂徳杯」は創刊75周年を迎えたスポニチ杯の冠付き。平塚ダービー直後の「FⅠ」ということでメンバー的には小粒だが、東西から個性派が集まり見逃せない攻防が繰り広げられる。誰が勝ってもおかしくない混戦シリーズと言っていいが、KEIRINスポニチは復調ムードの大塚健一郎を中心視する。度重なる落車で鎖骨、肋骨、肩甲骨などあらゆる箇所の骨折を経験しているが、その都度、はい上がってきた不屈の精神力の持ち主でもある。本来のキレ味こそ欠くが、闘争心はいささかも衰えていない。

 当地は20年6月のFⅠを制し、昨年の同杯も決勝に進出した。その決勝は優勝した嘉永泰斗から離れ、5着に敗れているが、相性そのものは悪くない。今回のパートナーは林大悟だ。その林は直前の久留米GⅢ(大阪・関西万博協賛競輪)で決勝進出。4車でまとまる茨栃ラインを攻略できなかったが、動きは上々だった。昨年の当地GⅢでは4日間、先行勝負。初日の一次予選で大敗したものの2日目から①②③とまとめて見せた。林が果敢に風を切る。ガッツ大塚が番手で勝ちパターンを築く。

 パワフル根田空史が九州勢攻略に挑む。近況、ひと息の感は否めないものの、ツボにはまったときの破壊力、実績は機動力型の中では一枚上。武田憲祐との南関コンビが好勝負に持ち込む。力を付けてきた山根将太も上位を脅かす自力タイプだ。前4場所は同型の包囲網を切り崩せず準決で無念の涙をのんでいるが、その先行力は侮れないものとなる。宮本隼輔がイマイチの状態。山根には友定祐己、戸田洋平がドッキングする岡山ラインが不気味だ。

 北日本は五日市誠が代表格だが、ライン的には劣勢。それより自在脚を使う高橋築を警戒。柿沢大貴がマークする関東コンビがV争いに割って入る。


東矢圭吾 特昇挑む

東矢圭吾 A級戦の注目株は東矢圭吾だ。実兄であり師匠でもある昇太(98期)と汗を流し先行力に磨きをかけた東矢は4月小松島→取手を6連勝。日高裕太(静岡)に続く121期から二人目となるS級特昇に挑む。


 「(特昇を)意識しないと言ったらウソになるけど、結果を恐れず、力を出し切る競走をやって、その結果が特昇なら最高」。ロングスパート辞さない強気のパワー攻勢が見ものだ。


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