別府競輪の「モーニング7CTC杯」がA級1、2班の精鋭を迎え、6月20日から22日までの3日間開催される。

 V争いの中心点は海老根恵太(45=千葉)だ。86期とベテランの域に達しているが、今なお決勝常連の実力と脚力を兼ね備える。総合力でリードする海老根が久しぶりの別府バンクで底力を見せつける。


大会展望

  東西の実力者、個性派が集まる混戦シリーズと言えそうだが、実績、安定感では海老根恵太が頭ひとつリードする。今年の海老根は13場所を消化し11優出、うち3Vを手にするなど存在を誇示。09年の競輪グランプリ(京王閣)の覇者で同年の寛仁親王牌(青森)、10年の競輪祭(小倉)を制し、輪史に輝かしい足跡を残した名レーサーでもある。

 当地はS級上位だった20年のFⅠ以来で3年ぶりの参戦となるが、その存在はさすがに際立つ。今回のパートナーは飯田憲司(40=静岡)だ。こちら飯田もS級経験ある実力者。昨年12月の立川以来、優勝から遠ざかっているが、12場所を消化し8場所優出、準優勝2回と今年の成績を見ても分かる通り、V候補の一角であることに違いない。かまし、捲りの機動力を駆使し、海老根との南関ワンツーを目指す。

 米嶋恵介(31=岡山)が負傷欠場し追加参戦する山本奨(34=岡山)が中国地区の代表格だ。直前の高松では阿部架惟都(23=宮城)の逃げを4番手3角から捲り追い込み、今年4度目の優勝を3連勝で飾った。来期はS級に返り咲く山本が自慢のタテ脚で好勝負を演じる。同じく追加あっ旋の村上竜馬(27=広島)がV争いに割って入る。この中国コンビの前後は微妙ながら、いずれにしても来期S級に返り咲く山本が逆転の筆頭になるだろう。

 関東から梁島邦友(24=茨城)が名乗りをあげる。直近4カ月のBS回数21が示す通り、結果を恐れない先行マニアだが、4月松戸では珍しく捲りの決まり手で今年初Vを手にした。強気に先行勝負を貫く梁島が前述の南関コンビ、さらに山本を苦しめる。梁島はいわゆる〝幸せ配達人〟。番手回りが有力な高橋泰裕(38=埼玉)に願ってもない好展開が訪れる。地道な努力の末、来期はS級に昇格する高橋が持ち味の差し脚を生かせる。

 北日本は宇佐見優介(29=福島)の動向が気になるが、同地区に上位に通用する先行型が見あたらず劣勢の印象。

 食指動くのは九州勢。格付け2班ながら松本憲斗(26=熊本)がパワーアップしているのは朗報。地元の萱島大介(43=大分)が欠場。今年2月に福島から移籍した小酒大勇(29=宮崎)が松本マークから伸ばすシーンも見られそうだ。 


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