別府競輪の「モーニング7 韓国苑カップ」が9月13日から15日までの3日間開催される。中近、中四国、九州からA級1、2班の精鋭がシ烈なV争いを展開する。突出した選手は不在。本紙は格付け2班ながら安定したパワー戦が魅力の小西晴己(21=三重)を中心視する。若さプラス実力も兼ね備えた小西が7月以来の当地戦で力強くアピールする。


大会展望

 今シリーズはA級1、2班戦。中近、中四国、九州の3地区から個性派、実力者が肩を並べ、V争いは混とん。誰にでもチャンスがある混戦相場と言えるだろうが、先行力の比較となると格付け2班ながら小西晴己(21=三重)が頭ひとつリードする。父・誠也(80期)を追って121期デビューした小西は昨年12月、特班でチャレンジを卒業。その後も自慢のタテ脚でコンスタントに決勝進出を果たしている。

 当地は7月以来。②①で進出した決勝は4車でまとまる中部ラインの先頭で果敢に風を切り、同県の先輩・溝口葵(117期)の優勝に大きく貢献した。先行主体の組み立てに違いないが、近況はレースの流れを見極めたかまし、捲りのスピード戦が目を引く。タテ脚の破壊力に加え、対応力も上がった小西が完全Vを飾った5月前橋以来、今年2度目のVに照準を照準を絞る。

 その小西マークから逆転をもくろむのがベテラン山田雅之(50=岐阜)だ。展開に左右されるマーカーだが、S級経験も豊富でハンドルさばきはしっかりしている。先行、捲りを主戦とする内藤久文(31=愛知)が小西の番手回りかも。小西―内藤―山田で中部勢がまとまると7月の当地決勝のように小西が捨て身で駆け内藤が笑うケースがある。

 近畿は伊原克彦(41=福井)が代表格。こちら伊原もS級経験は豊富。長年、自力勝負を貫いてきたが、近況は追い込みが主体。先導役は末広快理(25=兵庫)が引き受ける。格付け2班だが、今年3Vをマークするなど成長著しい末広が伊原を引き出すパターンも十分考えられる。

 中国から滝本泰行(27=岡山)が名乗りをあげる。今期94.91とメンバー中、最上位の得点を持つ滝本は7月の地元玉野で失格を喫した。マイナス3点を取り戻す意味でも奮起間違いなし。復調気配の船瀬惇平(29=広島)の攻めを足場に決め脚を発揮する。

 四国は渋谷海(26=香川)と室井蓮太朗(22=徳島)のパワー戦も見ものだ。渋谷は北海道から移籍して久しいが、すっかり四国に馴染み、ラインの先頭で積極策を取ることが多い。前々回の小倉では甲斐俊祐(大分)の逃げに乗り、番手捲りを決め、久しぶりの優勝を手にした。室井も直前の京王閣を3連勝で制すなど勢いがある。熟練マーカー吉岡篤志(44=徳島)が四国連係から詰め寄るシーンも思い浮かぶ。

 機動力型の鶴良生(28=福岡)と田村大(25=宮崎)を擁する九州勢も差はない。鶴は7月玉野決勝で捲りを決め今年5回目のVを飾った。田村のパワーも本格化。来期は待望のS級に昇格する田村が今期も順調そのものだ。年齢からすると田村が前回り。無風で番手を回れると鶴に大チャンスだ。マーク陣では樫山恭柄(37=福岡)、佐藤健太(35=福岡)が虎視たんたん。地元の新鋭・甲斐俊祐(25=大分)のパワー戦も見逃せない。


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