別府競輪の「モーニング7・シーガーデンひじ杯」が11月12日から3日間開催される。今シリーズはA級1、2班の精鋭がV争いを演じるが、中でも村田祐樹(25=富山)が抜けた存在。今年すでに9V。将来を嘱望される中部のパワーヒッターが初挑戦の別府バンクで力強いフットワークを見せつける。


大会展望

 中近、中四国、九州の3地区から実力者、個性派が集まる見逃せないシリーズと言えるだろうが、先行力の比較となると村田が頭ひとつリードする。大学時代(日体大)は19年のインカレ、国体のケイリン種目で優勝を飾るなど鳴り物入りで121期に入所した逸材だったが、在所時は先行にこだわった結果、まさかの未勝利。しかしながら、3回の記録会すべてでゴールデンキャップを獲得しているように潜在能力は抜群だ。

 自慢のタテ脚で今年すでに9V。8月佐世保から10月豊橋までは別線の包囲網をことごとく打ち破り、4連覇を達成している。別府バンクは初挑戦。冷え込むこの時期、BS強い向かい風が機動力型を悩ませるだろうが、強風をモノともしない力強いフットワークでV戦線を掌握する。

 村田と連係できる北野良栄(40=愛知)や鷲見逸喜(45=岐阜)にも勝機が訪れる。とくに北野は自力も打てる。村田の番手回りなら逆転可能だ。近畿勢は白上翔(34=滋賀)が代表格。ただし、近畿の層が薄いのが気がかり。岸川哲也(37=大阪)が前回りから男気を出すのか、それとも動ける白上が捲り兼備に自ら活路を開くのか。その動向が注目される。

 中国勢に食指が動くのが今岡徹二(29=広島)だ。前期までのS級では目立たなかったが、今期のA級では初日特選シードの常連。ムラだが、その一発は魅力がある。さらに山根慶太(24=岡山)の存在は今岡にとって頼もしい。その山根は9月函館→佐世保→高松を完全Vで3連覇。特班でチャレンジを卒業し、A級一発目の玉野、直前のいわき平を連勝で決勝に進出するなどA級上位の先行力を持つ。山根―今岡の連係が実現すれば今岡が笑うパターンもあり得る。

 九州は劣勢の印象。自在脚ある古川貴之(39=佐賀)が応戦するが、前々回和歌山の決勝で落車し直前の小倉ではひと息だった。地元ルーキーの長松空吾(23=大分)が上位の機動力型に対し、そこまで抵抗できるかが焦点となる。


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