GⅢ先行予想

地元V譲れん

荒井 崇博

◇分厚い九州ラインで勝機

 今年も好メンバーが西海の地に集結。郡司浩平、新山響平が欠場しSS班は新田祐大と平原康多の二人。新田、平原の存在が際立つが、本紙は今年2月に佐賀から長崎に移籍した荒井崇博(44)をシリーズリーダーに推す。特別競輪常連の荒井は22年9月に通算500勝を達成。移籍後、荒井にとっては初の地元GⅢ。譲れない地元のグレードレースで荒井は万全の調整で臨む。

 荒井をもり立てるのが嘉永泰斗であり伊藤颯馬。さらに親交の深い井上昌己、中川誠一郎もラインを固める。分厚い九州の陣容を味方に荒井が勝機をつかむはずだ。そうはさせじと新田、平原が意地を見せる。ともに来期はSS班からの陥落が決まっているが、実力、実績はいまさら語るまでもあるまい。

◇新田、平原が意地見せる

 新田は直前の別府GⅢで決勝進出を逃がしたものの最終日は得意の捲りを決め本命人気に応えた。渡辺一成、佐々木雄一、飯野祐太との福島連係が注目される。

 10年間SS班の座を守り続けた平原にとって今年はケガ、腰痛に泣いた一年だった。それでも存在感は絶大。波乗り坂井洋、さらに西武園オールスター決勝の失格で長期欠場を余儀なくされた吉田拓矢が戦列に復帰することで強力な関東ラインが形成される。平原の復活Vも十分だ。

 南関は北井佑季がクローズアップされる。松井宏佑に並ぶ神奈川を代表する徹底先行が上位陣を脅かす。番手無風なら鈴木裕が恵まれる。

 近畿は力を付けた福永大智が挑戦状。ラインを固める稲垣裕之、神田紘輔ら近畿のマーカーがどこまで迫る。

 中四国は復活目指す太田竜馬、スピードタイプの小川真太郎が一角を崩す。マーカーでは差し脚切れる柏野智典が侮れない。

 ◇佐世保競輪72周年決勝VTR 郡司浩平が当日欠場し、決勝は8車立て。中川誠一郎―山田庸平―井上昌己の九州勢が前受け。4番手をイン守沢太志、アウト和田健太郎で並走。以下、和田圭―伊藤信―杉森輝大が追う。赤板過ぎの1角で和田健が踏みイン切り。下げた中川がすかさず巻き返して鐘過ぎに主導権を奪う。山田―井上がガッチリ追走。和田健―守沢―和田圭―伊藤―杉森で九州勢を追う。伊藤が捲るも不発。伊藤をけん制した守澤が捲る。最終BSから山田が番手捲り。守沢は井上を決め山田後位へ。直線もスピードが衰えなかった山田が優勝。守澤が2着、続いた和田圭が3着。


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