競輪選手になるには…

 競輪選手になるには、静岡県伊豆市にある日本競輪選手養成所に入所し、10カ月の鍛錬を経て競輪選手資格検定に合格することが必要。

 養成所の入所試験は年度の4月1日時点で満17歳以上であれば受験可能。年齢制限はない。例年、男子70人、女子20人程度が入所している。

 自転車経験がなくても身体能力を問う適正試験や、世界規模の大会での成績優秀者を対象とした特別選抜試験もある。

JKA養成所生活

 日本競輪選手養成所は日本で唯一の競輪選手養成機関。19年5月に日本競輪学校から改称された。

 候補生は入所後、最新鋭の設備が整う練習環境で集団生活を送り、選手になるために必要な技能や知識を身につける。走行技術はもちろん、競輪に関する法律やルールなどの学科や、外来講師を招いた講義も行われる。

 また、養成所では厳しいルールが定められている。飲酒、喫煙、無断の外出、外泊は禁止。携帯電話、スマートフォンといった通信機器の持ち込み、使用も禁止されている(帰省時など可能な場合もある)。

 費用は施設利用料、食費など約135万円かかるが、在所中に無金利で貸し付ける制度や、選手になってから支払う制度もある。

他競技からの転身

 他競技から競輪へ転身するケースも珍しくない。松谷秀幸(神奈川・96期)はプロ野球・ヤクルトスワローズの元投手。北井佑季(神奈川・119期)は松本山雅FCなどに所属したJリーガーだった。スケート出身も多く、02年ソルトレークシティー冬期五輪で8位入賞した武田豊樹(茨城・88期)はGPを制覇するトップレーサーに上り詰めた。

 また、女子ではビーチバレー日本一に輝いた尾崎睦(108期・神奈川)、ホッケーで08年北京五輪に出場した岡村育子(102期・埼玉)などがいる。他にも中村由香里(102期・東京)と奥井迪(106期・東京)は教師からガールズケイリンの世界に飛び込んだ。