S級戦先行予想

 犬伏湧也と島川将貴の徳島コンビがV争いをリードする。

 昨年はGⅠ日本選手権、オールスター、寛仁親王牌で決勝進出を果たし、今年さらなる飛躍が期待される犬伏が久留米初参戦。持ち前のパワー満点の走りで今年初Vを目指す。

 島川は昨年FⅠ戦で9V。S級の男子では真杉匠と並んで年間最多優勝だった。久留米は昨年2月のFⅠ戦でVを飾り、6月の久留米記念は二次予選敗退ながら3勝を挙げた。これまでは犬伏と連係がなく、番手を無風で回れば今年初Vのビッグチャンスだろう。

 岩津裕介、柏野智典が徳島両者との連係から上位進出を狙う。昼田宗一郎の機動力も軽視は禁物だ。

 犬伏と島川の徳島決着に待ったをかけるとすれば南修二だろう。昨年の寛仁親王牌・初日特選は犬伏後位を主張して山田庸平と競った。今回も山本伸一や稲毛健太らはいるが、初日特選は足場がなさそう。再び犬伏の番手に照準を定める可能性はあるだろう。ヨコだけでなくタテ脚でも勝負できる万能戦士だけに別線にとっては存在そのものが脅威になるはずだ。久留米はGⅢで3度の決勝進出があり、2回は準Vとバンク相性も悪くない。16年8月に当地でS級優勝の実績がある山本も侮れないだろう。

 九州勢は層の厚さで抵抗を図る。今年初出走だった佐世保FⅠで決勝3着の吉本卓仁が昨年4月以来のホームバンク出走。狙うは21年12月以来の地元Vしかない。小倉がホームの岩谷拓磨も武器のスピード戦で魅了する。久留米が練習バンクの松岡辰泰は近況上昇ムード。昨年10月に当地で開催された地元・熊本記念では決勝進出と奮闘し、決勝は果敢に逃げてラインのワンツー決着に貢献した。あの時以来の久留米参戦だ。直近4カ月の競争得点が109点を超える小岩大介が追加参戦。失格した開催を除けば、FⅠ戦が10節連続で決勝進出中と抜群の安定感。

 見逃せないのが佐藤幸治。昨年末から好調で前節の別府FⅠでは3連勝の完全V。20年10月防府FⅠ以来の美酒に酔った。18年8月にS級優勝も成し遂げている好相性のバンクで近況の勢いなら、好戦は可能だ。


A級戦展望


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