不審抜け出しV字回復

山田諒

昨年12月松阪FⅠで1年11カ月ぶり優勝

 見事なV字回復だ。山田の成績がグーンと上向いている。昨年12月松阪FⅠで1年11カ月ぶりのV。これで弾みがつくと年またぎ開催の大垣FⅠで優勝。いったい何が変わったのか。

 「点数が上がってきて番組面で恵まれてますね。この成績はたまたま」

 2年前の競走得点は110点。岐阜のホープとして注目を浴びたが、ここから成績は急降下する。半年後には競走得点は10点も下がってしまった。不振の原因は競輪選手の職業病ともいえる腰痛だった。

 「いつでも油断すると痛みがでるので、いたわりつつの状態ですね」

 まだ腰の痛みから完全に解放されていない。入念なケアは怠らず、自転車の乗り方を変えたりとパフォーマンスの向上に努めてきた。今までの苦労が、ようやく実を結んできた。

 「踏み方とかもかみ合ってきていると思う」

 2月静岡記念も上々の動き。一次予選は勝負どころで叩かれ苦しい展開で4着。二次予選は捲り合戦となり最後は接触もありながら3着で勝ち上がった。準決は突っ張り先行を捲られ5着に敗れたが最終日は圧巻のパフォーマンス。松井宏佑の先行を捲りで仕留め3連単は21万円超えで波乱の立役者となった。

 静岡の後は豊橋に向けて練習しているところで岐阜GⅠ全日本選抜の補充参戦が決まった。初戦の3日目は会心の打鐘カマシ。後ろの吉田敏洋に差されたが2着に逃げ粘った。これまでGⅠの最高成績は22年オールスターで3着が1回あるだけ。GⅠでは初めての連対だった。最終日は残念ながら9着だったが、今後の走りがますます楽しみ。今回の豊橋も十分、期待できる。

 「豊橋は風がきついけど、なぜか成績がいいバンクです」

 S級で豊橋FⅠはこれまで6回走り、3回決勝に進出。昨年11月は準決で敗退したが初日と最終日に勝利している。今の調子なら準決どころか、決勝でも結果を出してくれそうだ。今年2度目のVでとびっきりの笑顔を見せてもらおう。


同期から刺激
小林泰生

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