S級でも光る剛脚

田中 大我

S級初陣3月福井でも存在感

 勢いに乗っている田中が追加参戦だ。A級で機動力を磨くと、豪快なカマシ捲りを武器に白星を量産。2月向日町決勝では鋭く捲りを繰り出すと、番手から発進した渡辺豪大と壮絶な踏み合いに。直線で微差、伸び勝って9連勝を達成。S級に特別昇進を決めた。S級初陣となった3月福井でも、しっかりと存在感を示した。

 初日は打鐘から一気にカマして主導権を握ると、末良く押し切って初陣を白星で飾った。S級戦でも脚力が十分通用することを証明してみせた。続く準決では競輪界有数のマーカーである小倉竜二に前を任せてもらう大役を担った。果敢に仕掛けて出たが、地元連係で意気上がる貴志修己も懸命に踏み上げて、叩けずに大敗。さっそく洗礼を浴びる形にはなったが、このままでは終わらなかった。古賀勝大が単騎で逃げる展開を中島詩音が捲るも、ゴール前で鋭く伸びて前団をとらえて白星締めを飾った。

 着実にA級で磨いた脚力がS級でも生きていて、豪快な仕掛けで今後も快音を響かせそうだ。地元奈良では三谷兄弟と日々トレーニングをしてパワーアップを遂げている。今回も自慢の剛脚を存分に発揮してS級初Vを目指す

 ◇田中 大我(たなか・たいが)1998年(平10)10月28日生まれ。奈良県出身の25歳。115期。19年7月奈良でデビュー。同年11月富山で初優勝。2月向日町で9連勝を達成してS級に特別昇格。通算成績は361走154勝。8V。1㍍74、85㌔。血液型B。


S級展望 
金子 力強さ取り戻して
 

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