逆襲始まる

犬伏 湧也

レースの組み立て課題

 昨年は3度GⅠの決勝戦に進出。今年初タイトルの期待は大きかった。しかし3月を終わった時点では大苦戦といっていい。優勝はFⅠの1回のみで、GⅠ、GⅡはおろか、GⅢでさえも決勝戦に進めない状況が続いている。3月ウィナーズカップでは準決勝で落車。直前の小倉FⅠは欠場になった。デビュー以来、初のピンチといっていい。

 「2月、3月のGⅠ、GⅢの時も体調自体は決して悪くないんです。あとはレースの組み立てです。これを克服しないと上の舞台で戦えないと思います」

 強烈なパワーを持つ犬伏に簡単に前に出られると他ラインにチャンスはない。そこで、どうにかして止めようと様々な手で動きを封じてくる。特に3月松山GⅢ2次予選のレースが顕著だった。終始、内に閉じ込められたまま、力を出すことなく敗れてしまった。

相性いい高知バンクで

 逆に言えば、今が底なら、あとは上がるだけ。さらなる脚力アップはもちろん、今は封印しているヨコの動きが必要になるかもしれない。幸い高知は過去にVがあり昨年のGⅠでも3勝を挙げるなど相性のいいバンク。500走路で仕掛けるチャンスは多く、いかにも犬伏向き。今回の土佐から逆襲が始まる。


S級見どころ
清水裕友
シリーズけん引

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