別府競輪FⅡ「チャリトロ杯」が5月4日に開幕。

 7車立て7R制のオールチャレンジ戦となる今節の中心は、123期生。松田昂己(22=茨城)、岡崎陸登(26=愛媛)、岡部伶音(25=福島)、山元大夢(24=石川)、鈴木康平(29=静岡)、丸林駿太(22=福岡)ら6人が参戦し、若い力でレースを盛り上げる。

 前期からの降班組では黒滝大翔(29=茨城)、立石拓也(福岡=50)、松山正和(52=静岡)に注目だ。


大会展望

 松田昂己がV争いの中心。今期はまだ優勝はないが、1月取手、3月福井と2度の準V。今期10場所中8場所で決勝に進むなど、高いレベルで安定している。

 中学、高校はサッカーに熱中し、自転車競技の経験が無いまま養成所入り。在所中はまったく目立たない存在だったが、ルーキーシリーズ初戦の宇都宮でいきなり優勝して注目を集め、本格デビュー後の前期は3Vを記録。

 近況の最終バック数は19本で逃げの決まり手は17本と、サッカーで鍛えた高い身体能力を生かした先行主体の走りは力強い。初めての別府バンクでも、その持ち味を存分に発揮できるはずだ。


 今場所のシリーズリーダー・岡崎陸登は高校時代にはインターハイの4㌔速度競走で2位になった実績はあるものの、養成所時代には1度も1着がなく成績は回に甘んじた。

 それでもデビュー後は自力主体の走りでめきめきと力をつけており、今期、準決では8戦5勝、2着2回で1度も決勝を逃していない。直前の高松1①❸と悲願の初Vは逃したが、力的にはいつ優勝してもおかしくない。

 岡部伶音は昨年7月函館の本格デビュー初戦でいきなり優勝したものの、8月豊橋での先頭員早期追い抜きで失格となり、そのペナルティで4か月間レースに出られなかった。実戦経験の少なさもあって復帰後はなかなか波に乗りきれないが、直前の平塚2③❹と経験値が増すほどに上向いてきている。

 2000年のダービー王で父・芳幸をほうふつとさせる豪快な捲りも打てるだけに、軽視は禁物。鈴木規純(49=福島)、辺見斎(38=福島)、須永勝太(33=福島)と同県の先輩が多数参戦しているのも心強いだろう。

 山元大夢は高校の時に自転車競技を始め、大学時代の2021年には全日本学生選手権タンデムスプリント1位、インカレタンデムスプリント2位の実績。3月和歌山から5場所連続で決勝に進み、4月取手1①❷に続き直前の高松でも1②❹といい流れに乗っている。

 教員から競輪選手に転身した鈴木康平は、アマチュア時代に追い抜き競技で磨いた強烈な地脚から繰り出すロングスパートが魅力。別府は2月に続いて2度目の参戦。今回は、決勝に進んだ前回以上の活躍を目指す。


 降班組では立石拓也黒滝大翔に注目。立石は降班初戦の1月小松島で西田優大、半田誠ら123期の強敵を破り優勝。降班前の12月久留米では1、2班戦の決勝に進んだ実力者だ。マークが基本も、捲り兼備の強力なタテ脚がある。

 黒滝は自力に加え、近況は番手で戦うレースも増えている。1月取手ではタテ、ヨコを駆使した総力戦で1②❷と結果を残した。今場所は同県の後輩・松山がおり、一緒に勝ち上がって連係することができれば、自身通算4度目の優勝のチャンスはふくらむ。

 松山正和はここ3場所続けて結果を出せていないが、それ以前は比較的安定して決勝に進んでいた。通算256勝と経験豊富なベテランだけに、ここはしっかりと立て直してレースに臨んでくるに違いない。

 荘田竜斗(36=大分)は1月別府1②❶で通算2度目の優勝を飾って以降は低空飛行が続いている。ゲンのいい地元バンクで再び好結果を残し、再浮上につなげたいところだろう。直前の大宮1①❺と好調な増成富夫(53=岡山)も要注意だ。


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