別府競輪の「モーニング7」(競輪公式投票CTC杯)が6月18日から20日までの3日間開催される。

 今シリーズはA級3班によるチャレンジ戦。V有力候補となる123期6人のうち、8Vの実績が際立つ出口謙一郎(25=岐阜)に注目。小笠原一真(24=青森)、助川翔太郎(27=埼玉)、徳永泰粋(21=熊本)との同期対決が見ものだ。


シリーズ展望

 チャレンジ戦は毎度のことながら123期の新鋭がV争いの中心となる。中でも出口謙一郎(25=岐阜)がクローズアップされる。アマ時代はインターハイのケイリン種目2位の実績を持ち、ハイレベルな123期に入所。捲りと追い込みで8勝をマーク。在所成績こそ23位と振るわなかったが、競走訓練では巧みなハンドルワークで好位をキープするなど非凡なセンスを見せた。

 直前の富山決勝は単騎ながら同期の稲毛知也(和歌山)の番手に飛び付き、返す刀で差し切り、通算8度目の優勝を飾った。強力な地脚に加え、鋭いダッシュ力。さらに富山決勝で見せたように俊敏なハンドルさばきも特筆される。来期は2班への定期昇班が決まっている将来を嘱望される中部の機動力タイプと言えるだろう。別府バンクは初挑戦となるが、のっけからパワー全開だ。

 対抗格には小笠原一真(24=青森)を推す。これまで優勝は3日間、バックを引っかけた4月前橋のみとは物足りないが、将来を見すえ、積極果敢に攻める競走スタイルは見ていて清々しい。年間通してBS向かい風の日が多い当地だが、物怖じすることなく小笠原が持ち味を出し切るはず。

 助川翔太郎(27=埼玉)も4月西武園で嬉しい初Vを手にした。その決勝は同期の佐藤譲士郎(埼玉)がひと肌脱ぎ、助川は番手捲りを決めている。まだまだ安定感には欠けるが、ツボにはまったときの自力攻勢は侮れないものとなる。

 九州からは徳永泰粋(21=熊本)が名乗りを挙げる。昨年12月以来の参戦となるが、そのときの決勝は同期の桜木雄太(福岡)を引き出そうと積極策を取ったものの、同期・保田浩輔(岡山)の早めの巻き返しに後退を余儀なくされ、同じく同期の依田翔大(山梨)に優勝をさらわれてしまった。とはいえ当地は好相性。その動きも見守りたい。

 119期の入江航太(22=熊本)にとって徳永の存在は頼もしい限り。直前の小倉決勝は123期の平野想真(愛知)の一発を食らったものの先行策から3着に持ちこたえたのは立派。来月にはホームバンクの熊本競輪が再開される。入江、徳永ともに気持ちが入って当然だ。徳永―入江の熊本連係が見逃せない。

 日吉克実(29=静岡)、成海大聖(25=沖縄)も上位進出を狙うが、現状はパワー不足が否めない。それより吉田彰久(50=香川)、矢田晋(46=福岡)、船倉卓郎(40=長崎)らベテラン勢の動向が気になる。123期勢を単独で追うことができれば勝機を見いだせる。


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