別府競輪のミッドナイトFⅡ「やっぱ! オズパ!杯」が6月25日に開幕。

 7車立て7R制の1、2班戦となる今節の注目は、なんといっても中川聖大(25=福岡)。
 A級1班に昇格した今期は、ここまで3Vと波に乗っており、優勝争いの軸となるのは間違いない。中川を筆頭に本郷雄三(35=熊本)、利根正明(34=大分)、上野恭哉(26=福岡)と九州勢は役者揃いだ。

 東勢は山崎輝夫(33=埼玉)、尾崎悠生(27=埼玉)の埼玉コンビと南関の巴直也(35=神奈川)に注目。しっかりとした目標があればマーク巧者の鷲見逸喜(46=岐阜)も上位を狙える力はある。中四国勢では野崎将史(37=岡山)に要注意だ。


大会展望

 今期A1に昇格後は波に乗っている中川聖大。2月小倉と大垣では2場所連続で完全Vを飾り、5月武雄では❸①❶と、ここまで3度の優勝をマーク。

 2場所前の6月久留米の決勝は同期のライバル・一丸尚伍に捲られ2着だったが、道中は一丸に主導権を渡さず、最後まで互角の戦いを繰り広げて存在感をアピールした。長い距離を踏むと末が甘くなる傾向はあるが、流れを読んでポイントを逃さず仕掛けたときの走りは威力十分だ。

 中川は中学から高校まではバスケットボールに熱中。自転車競技を始めたのは大学(日本大学)に進学後のこと。スタートは遅かったが、競輪選手だった父・司さんの影響もあって、子供ころから自転車が好きだったという。

 司さんと同期で仲が良かった〝輪界のレジェンド〟吉岡稔真さんに弟子入り。タイトルホルダーの園田匠や小川勇介ら兄弟子たちの活躍に刺激を受けながら練習し、めきめきと力をつけてきた。同じ福岡の上野恭哉は近況自在な走りが増えている。福岡勢でラインを組むなら、中川―上野の並びが順当だろう。


 九州勢では本郷雄三と利根正明も見逃せない。本郷は4月大宮で優勝し、今期比較的コンスタントに決勝に進んでいる。最近はマークが多くなっているものの、直前の四日市2日目は最終バックを取る走りを見せ、強力なタテ脚は健在。

 利根は久しく優勝から遠ざかっているものの、得意な捲りと先行を展開によって使い分けて、地元選手として意地を見せたいところ。中川、上野ら福岡勢と連係する可能性もあるが、別線勝負なら利根が本郷を引っ張る形となろう。


 山崎輝夫はここ2場所連続で決勝に進んでおり、ここにきて調子は上向きとみて良さそう。逃げ、捲りの決まり手もあり、差し中心に自在な走りで上位を狙う。

 尾崎悠生は徹底先行が持ち味。直前の川崎では久々に決勝に進出し状態は悪くなさそう。予選の走りには安定感があり、自分の競争に持ち込めれば、上位に食い込む力は十分。南関の巴直也と東勢でまとまれば、ライバルにとってはかなり手強い存在になる。

 野崎将史は派手さはないが堅実に結果を残すタイプ。4月小倉1①❸、続く5月久留米❺②❼となった以降は決勝には進めていないが、今回は田上晃也(26=岡山)、松下綾馬(27=岡山)と、同県の後輩に自力型がいるのは好材料だ。

 田上は今期決勝が1回だけと低迷が続いているものの、最終バック数と逃げの決まり手は10を超え、1着も少なくない。昨年前期はS級2班で戦っていた実績を考えるとその力は侮れない。中四国勢では藤井將(30=広島)、林明宏(48=高知)も力がある選手。特に藤井は4月小倉で優勝している。

 鷲見逸喜はここ2場所続けて病気で欠場し、その影響が気になるところ。欠場するまでは堅実な差し脚を発揮して比較的安定した結果を残しており、体調万全ならV争いに絡んできそう。

 同じ中部勢の自力型である勝谷勝治(33=三重)と連係できる流れになれば、チャンスはぐっと広がる。

 近畿勢ではマーク中心でタテ脚もある泉谷直哉(41=兵庫)にも注意したい。


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