ケガ乗り越え大ブレーク
藤井 侑吾
GⅠ高松宮記念準決進出で自信
ケガを乗り越えて大ブレーク。今年前半の藤井は目覚ましい活躍ぶり。1月名古屋FⅠで待望のS級初Vを飾ると5月富山FⅠで2度目のS級優勝。さらに自身2度目のGⅠだった岸和田・高松宮記念杯は準決勝に進出した。
「GⅠで5走を走ったのが初めてだったので、長かったですね。しかも初日が休みで2日目から5連続で終盤は疲労からレースも粗削りになっていた。脚というよりも組み立ての部分ですね。でも(4日目)白虎賞に乗れると思ってなかったし、準決勝も戦えて自信になっています」
3月GⅡ取手ウィナーズカップ準決勝で落車。右鎖骨を骨折した。これで勢いが止まるかと思われたが、5月に復帰すると、影響を全く感じさせない走りが続いている。
「落車の影響もだいぶ減ってますね」
前を取って引いて一気に仕掛けるカマシが得意パターン。FⅠで対戦した相手からも「GⅠの準決クラス」と評価されるほどだ。ただカマシ一本で通用する世界でないことは本人も十分承知している。
「今後は戦法の幅を広げていきたい。基本は先行だけど、先行できなかった場合の動きや位置取りとかも考えないといけない。引いてカマすだけでは強い相手に通用しないので。突っ張ったりとか先行のバリエーションも増やしたい」
プロ野球の投手が直球一本だけでは結果を残せないようなもの。戦法が読みやすいと、相手も対処してくる。戦法の幅を広げることがレベルアップにつながっていく。
行くぜ圧巻カマシ
前回の久留米記念は2勝したが準決勝に進めず。ただ、二次予選は厳しいブロックで止められてしまったが捲ったスピードは決して悪くはなかった。
「まだまだ力をつけないと。もうちょっと調整も考えないといけなかった。疲れが残っていた」
7月からは2年ぶりにS級1班に戻る。新期初戦の豊橋はデビュー初Vを飾ったバンクで、昨年9月の記念では準決勝進出と上々の結果を残している。
「豊橋は風が強いイメージ。夏場で暑くなればタイムも出る。相性は悪くないですね。FⅠの優勝回数も増やしたいので、期の一発目でいいスタートを切りたい」
森田、松井と相手にとって不足はなし。ここでVをつかめば後半戦へ向けて最高の弾みになる。圧巻の走りで主役の座は渡さない。