久留米競輪のミッドナイトFⅡ「楽天Kドリーム杯」が4日に開幕。7車立て7R制の1、2班戦の今場所は、機動力タイプを中心に実力選手が多数参戦し、力と力がぶつかり合う熱いバトルを展開する。中でも注目は曽我圭佑(30=熊本)と、地元の那須久幸(52=福岡)、上吹越俊一(47=鹿児島)、冨尾享平(38=沖縄)ら九州勢だ。その九州勢の前に立ちふさがるのが、前期4Vをマークした徹底先行型の安藤直希(26=京都)と原田隆(48=大阪)の近畿勢。前期S級の田中和磨(28=岡山)、山崎航(29=山口)、桶谷明誉(35=広島)と多彩な顔ぶれの中国勢も確実に上位争いに加わってきそうだ。


 曽我圭佑といえば展開に柔軟に対応できる優れた自在性と機動力が持ち味だが、S級からA級に下がった前期は自力主体の走りを心掛け、5月の松山、函館での連続優勝を含め4Vと結果を残した。直前の武雄は決勝を逃したが、3日間とも最終バックを取る走りを見せた。競輪選手だった父・明広さんの影響もあり、高校、大学と自転車競技に取り組み、2012年インターハイスプリント2位、2015年学生選手権スプリント2位、同年国民体育大会スプリント3位などの実績を残した。スピードとダッシュ力がものいう競技で活躍してきた曽我にとって、自力勝負は原点といっていい。いい流れをつなげるためにも、今場所も積極的な走りでV争いをけん引する。

 今場所は地元の那須久幸、上吹越俊一、冨尾享平とマーク陣も強者揃い。特に那須はここ4場所連続で決勝に進むなど走りは安定しており、番手で援護が受けられることになれば、曽我は心強いに違いない。上吹越、冨尾は流れに乗ってタテ脚を発揮する場面もありそう。6月玉野1①❸、続く松戸❻①❷と好調な天野純平(26=佐賀)にも要マークだ。

 今節の九州勢は福田要(25=宮崎)、北川大成(23=熊本)、入江航太(22=熊本)、石川航大(25=宮崎)ら若い力にも注目。入江と石川は前期のチャレンジ最終戦(入江は別府、石川は小倉)で完全優勝しており、競走得点では計れない勢いがある。特に石川は、直前の小倉初日、逃げて11秒4の上がりタイムをマーク。このスピードを発揮できれば、1、2班戦の初戦から活躍が期待できる。

 曽我ら九州勢の前に立ちふさがるのが、安藤直希、原田隆の近畿勢。安藤は徹底先行が持ち味の本格派。昨期は曽我と同じく4Vをマーク。期変わり初戦の今場所も、いい流れで戦うことができそう。前期はS級で思うような結果を残せなかった原田だが、通算448勝の実力は侮れない。安藤との強力タッグで久々の優勝を狙う。

 中国勢の中心は田中和磨。前期S級では苦戦することが多かったが、A級なら優勝を狙える力は十分にある。徹底先行型の山崎航が勝ち上がって連係することができれば、チャンスはさらにふくらむだろう。その山崎は近況2日目が壁になって決勝に進めていないものの、1着は量産しており、行きっぷりの良さとかかったときのスピードは間違いなく上位級。安定した差し脚が武器の桶谷明誉は病気欠場明けだけに体調が気になるが、万全なら間違いなく上位争いに絡んでくるだろう。四国の林明宏(48=高知)、岡田啓渡 (33=愛媛)も展開次第では注意が必要だろう。

 中部勢は坂上忠克(50=石川)、中川貴史(47=三重)、井田晶之(33=三重)が中心。パワフルな走りが持ち味の井田を先頭に百戦錬磨の坂上とマーク巧者の中川と並ぶラインには警戒が必要。積極果敢な走りが魅力の奥出良(30=石川)や機動力十分の勝谷勝治(33=三重)あたりが勝ち上がってくれば、中部勢の戦略の幅はさらに広がり、他地区にとっては大きな脅威となろう。


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