S級展望

 ミッドナイトGⅢ初代王者にもっとも近いのが平原康多(42=埼玉)だろう。ダービー王の出走で、初のミッドナイトGⅢの注目度もさらに増したはず。10年間守ってきたS級S班から陥落してしまったが、悲願のダービーVで今年のグランプリ出場、来年のS班復帰を決めた。高松宮記念杯は準決勝で敗れ、最終日に落車。今回の出場も危ぶまれたが、その後のイベントなどで出走をアピールし、初のミッドナイトへ意欲を示した。

 佐世保は昨年の周年記念で決勝進出。GⅡでも決勝進出があるバンクで優勝となれば06年9月のFⅠ戦以来になる。後輩の山口多聞や、関東同士の雨谷一樹との連係から格上の存在感を示す。

 松本貴治(30=愛媛)もパワフルな攻めで魅了する。取手記念で今年3度目のGⅢ決勝進出と好リズムでの参戦になりそう。2年半ぶりの佐世保出走で慣れないミッドナイトになるが、条件は相手も同じ。位置取りも意識した走りで自慢の脚力を存分に発揮する。

 中井俊亮(31=奈良)は前期最終戦だったいわき平FⅠで完全V。決勝は石塚輪太郎の先行に乗って今年初優勝を飾った。雨谷一樹(34=栃木)は直前の小田原FⅠをオール2着の準Vと調子を上げている。

 今年からS級に昇格した山口多聞(22=埼玉)の積極的な走りはG戦線でも存在感が高まっている。佐世保は初登場だが戦法的には間違いなく有利に働くだろう。ひとまず平原と連係することが第一の目標となるだろう。

 簗田一輝(28=静岡)は今年2度の落車でなかなか波に乗れないが底力は不気味。選手になる前の数年間を過ごした佐々木龍(33=神奈川)にとって佐世保は第2の故郷。昨年の佐世保記念は準決勝まで進出した。今回も奮闘は必至だ。

 柴崎淳(37=三重)は決勝進出率が上がって競走得点が回復してきた。元砂勇雪(32=奈良)は6月の地元GⅢで準優勝。競輪祭でのGⅠ初出場を決めた。直前の小田原FⅠ初日に落車して状態が懸念されるが、出走する以上はそこまでの影響はないとみていいだろう。

 復調途上の隅田洋介(36=岡山)も軽視はできない。久留米記念の奮闘が光った久田裕也(24=徳島)はその後の高松FⅠでも上々の動きを見せており今回も台風の目と化すかも。真鍋智寛(25=愛媛)は直前の向日町FⅠでS級2度目の決勝進出を果たし、勢いに乗ってGⅢに参戦する。

 九州勢も楽しみな選手がそろった。岩谷拓磨(27=福岡)、後藤大輝(23=福岡)、梶原海斗(24=福岡)の福岡機動型トリオが自慢の先行力を見せつける。後藤はオールスターでGⅠ初出走が決まり、梶原は直前の向日町FⅠでS級初の決勝進出を果たした。

 地元勢は始めてS級1班に上がった阪本和也(29=長崎)を筆頭に、瀬戸栄作(31=長崎)、瀬戸晋作(33=長崎)の瀬戸ツインズに、平尾一晃(27=長崎)の4人が登場。阪本は初の地元GⅢ決勝進出を目指す。瀬戸ツインズも話題提供だけでなく走りでもアピールしたいところだ。


ガールズ展望

スポニチロゴ