大会展望

松浦 好相性バンク

 今年もまた輪界を代表する強者たちが別府400バンクでしのぎを削る。東西の精鋭が集まり見応えある優勝争いを繰り広げるが、やはりSS班3人が中心となるが、GⅠでの実績、安定度となると古性優作がリードする。同じタイトルホルダーの村上博幸ら近畿勢が一糸乱れぬ連係でV戦線を盛り上げる。古性は自ら組み立てる事ができるオールラウンダー。目標不在の番組編成でも問題はない。力強い捲り、あるいは好位をさばき浮上を果たすことだろう。

 自在派と言えば松浦悠士。昨年暮れの立川で悲願のグランプリ制覇。チャンピオンユニフォームを着る松浦は3月玉野で通算20回目のGⅢ優勝を飾るなど〝らしさ〟を見せたが、好事魔多し。3月のウイナーズカップ(取手)の最終日に落車。左手の薬指と小指を骨折し歯車が狂った。それでも当地は昨年のウイナーズカップを制すなど好相性。中国地区にトップクラスの先行選手が見あたらない以上、松浦は変幻自在に組み立てることだろう。岩津裕介との中国タッグが見ものだ。

山口秘めるスプリント力

 ムラだが、SS班のパンツを履く山口拳矢もV圏内。前々回の取手GⅢではV取りこそならなかったが、準決で郡司浩平、成田和也、井上昌己を相手に捲りを決め快勝していようにツボにはまれば勝てるだけのスプリント力を秘める。その山口と何度も連係している浅井康太の存在も忘れてはならない。同じ練習グループの谷口遼平が好調をキープしているだけあって浅井にもチャンス十分だろう。

 南関は松谷秀幸が代表格だが、19年12月に当地でGⅢ初Vを飾った松井宏佑が体調不良で急きょ欠場したため評価を下げざるをえない。苦労人で個性派の松谷がどう対応するかも注目したい。北日本は仕事人・成田和也が魅力。小松崎大地、永澤剛、それに2班ながら新山将史、阿部拓真らと息の合った連係で成田が健脚を発揮する。

 関東勢もツブぞろい。競輪道をわきまえる武藤龍生は持ち点114.77と上昇一途。佐々木悠葵、吉田有希、菊池岳仁といった上位に通用する機動力が控えるだけに決め脚快調な武藤にも差し場があるというものだ。地元九州勢が気合の参戦。6月函館で3度目のGⅢ優勝を手にした阿部将大と復調果たした小岩大介の純地元コンビに加え、伊藤颯馬、北津留翼、小川勇介、伊藤旭ら多士済々。

 今のところその折り合いは微妙ながら勝ち上がり段階で2段駆けのシフトを組む可能性が大。中心となるのはホームバンクで汗を流す阿部と小岩になるだろう。四国は劣勢の印象。熟練・香川雄介と渡部哲男が踏ん張ってはいるが、原田研太朗に本来の勢いがないのはマイナス材料だ。



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