7月20日から22日の「熊本競輪再建記念FⅠ」で8年4カ月ぶりとなる本場開催にこぎつけた熊本競輪は興奮冷めやらぬ中、26日から28日までの3日間、モーニング7を開催する。
A級1、2班の精鋭を迎え、熱戦が展開されるが、脚力接近、実力拮抗する混戦相場だ。V争いの中心に推すのは本郷雄三(36=熊本)だ。譲れないホームバンクでハッスル請け合い。息の合った九州連係で4月大宮以来、今年3度目の優勝を目指す。
シリーズ展望
S級からの降格者は金子貴志(48=愛知)、木村幸希(32=広島)、吉川希望(31=石川)の3人。13年の立川グランプリを制すなど長年、中部の屋台骨を支えてきた金子貴志が持病の腰痛に苦しみ、今期は97年以来、実に27年ぶのA級降格となった。得点最上位の木村にしても前期S級でわずか2勝を挙げるにとどまり決め手を欠く。吉川にいたっては前期S級で未勝利と脚力不足は否めない。
突出した選手は不在。そこで中心視したのは地元でハッスルする本郷雄三(35=熊本)だ。S級経験もある本郷が現在はA級に甘んじているが、今年の仕事始めの松戸では得意の捲りを決め、完全Vを飾った。初日特選は常連。FⅡでは常に主力を担ってきた。松戸Vのあともコンスタントに決勝に進出。4月大宮でもこれまた十八番の捲りで今年2度目の優勝をもぎとった。
自力でも通用する本郷だが、今回は島村匠(27=福岡)や小柳智徳(26=長崎)といった上り調子の機動力型の番手回りが見込まれる。島村は昨年末の久留米と仕事始めの松阪でV取りに成功するなど力を付けた。123期の新鋭小柳も5月西武園決勝で捲りを放ちA級初Vを飾っている。息ピッタリの九州連係で本郷が見せ場を作る。
金子貴志
とはいえGP1勝、GⅠ2勝の実績を持つ金子の存在はピカピカ。金子を引き出すべく、同地区の吉川や後輩で売り出し中の佐藤竜太(23=愛知)が先行勝負に出るケース十分だ。タテ脚の木村もスピードタイプの村上竜馬(28=広島)と連係できるプラス材料がある。村上が今年2Vと復調ムードだけに、この広島コンビが脅威だ。
日野博幸
四国は日野博幸(40=愛媛)が代表格。捲り得意な日野が6月松山決勝では珍しくイン強襲から地元Vを手にした。7月別府の途中欠場は不安材料だが、後輩の森本桂太郎(25=愛媛)や〝オッサン〟の呼び名で親しまれる吉川嘉斗(31=徳島)らと四国勢でスクラムが組めれば好勝負に持ち込める。